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60回目の国慶節、中国人の本音と建前

小人民は元気をもらい、大人民は思想的背景を考える

2009年10月1日(木)

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 10月1日、中華人民共和国は還暦を迎える。中国共産党は「建国六十周年」を極度に重視している。中国人民解放軍新兵器のお披露目式とも言える「閲兵式」、10万人規模による「群集デモ」、張芸謀(チャン・イーモウ)監督演出の「交歓の夕べ」などが行われる。

 昨年の北京五輪、今年の建国60年、来年の上海万博はセットで語られることが多い。どれも中国の発展を示すもので、国威発揚に資する国家大事とされる。北京市政府から「建国六十周年準備委員会」に出向している役人は、「北京五輪は肩慣らしに過ぎない。建国六十周年こそが本番だ。事実、北京五輪準備委員会で良い業績を収めた人間が、本委員会でも引き続き活躍している」と紹介してくれた。

 町中、ビル、新聞、テレビ、インターネットどこを見ても「祝中華人民共和国六十周年」のスローガン。北京全体がお祭りモードで、最高潮の盛り上がりを見せている。9月18日の夜から翌日の朝方にかけて、国慶節イベント最後のリハーサルが天安門付近で挙行された。市民が沿道で喝采を送り、携帯電話で写真を撮る姿が見受けられた。道路・地下鉄など大規模な交通規制で市民の生活空間は大幅に制限されている。

共産党の共産党のための共産党によるイベント

 国慶節当日は、イベント参加者や一部の関係者を除き、一般市民はテレビで鑑賞するしかない。1万5000人以上の規模で警備体制が敷かれる。共産党の共産党のための共産党によるイベントに、国民は不在と言わざるを得ないが、某週刊誌の新人記者は、「60回目の国慶節、共産党がこれまでになく重視していると実感できる。交通規制などは私の周りの友人も含めて受け入れられる範囲。ちょっとした生活上の不便はあるけど行き過ぎなければいい」と理解を示す。

 「交通規制」以上に厳しいのが「輿論統制」である。建国60周年用の中央政府の世論政策は、「マイナス面の報道があってはならない」の1点に尽きる。共産党批判・人民共和国成立60年批判につながるような報道は一切禁止するということだ。

 プロパガンダを担当する中央宣伝部の関係者は「北京五輪を経験している我が国のメディア諸君は事情をしっかり分かっている。各自自制し、的確な報道を徹底させるだけ。不適当な報道があれば厳しく処罰する」と冷静だ。某都市報の編集長は「上からはマイナス面の報道をしてはいけないとしか言われていない。プラス面・肯定的・賛辞の報道をするだけのこと」、某国際新聞のデスクは「とても頭が痛い。どういう視点で建国60周年を描けばいいのか苦戦している。共産党の業績を褒めなければ政治的に失格だし、一方で読者には褒め称えていると感じさせてはいけない。大きなジレンマ。もうネタ切れ」とそれぞれ漏らす。

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「60回目の国慶節、中国人の本音と建前」の著者

加藤 嘉一

加藤 嘉一(かとう・よしかず)

国際コラムニスト

現在米ハーバード大学アジアセンターフェロー。世界経済フォーラムGlobal Shapers Community(GSC)メンバー。中国版ツイッター(新浪微博)のフォロワー数は150万以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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