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守るべき価値観を発展させるために改革する

【第3回】新しい霞ヶ関を創る若手の会(NPO法人プロジェクトK)代表 朝比奈一郎氏《後編》

  • 佐藤 ゆみ

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2009年10月5日(月)

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 新しい霞ヶ関を創る若手の会(NPO法人=特定非営利活動法人= プロジェクトK)は、「霞ヶ関の構造改革」を掲げて、各省庁で働く20~30代の若手公務員有志が集まっている。この代表を務めるのが、経済産業省の朝比奈一郎氏だ。

 前回は、社会指標の考え方や目指すべき国家像などについて話を聞いた。それを実現するため、政策立案メカニズムのあり方や今後の改革の方向性はどうあるべきなのか――。

佐藤 ゆみ(以下、佐藤) 民主党は「脱官僚、政治主導」を掲げています。国家戦略局の設置や事務次官会議の廃止など政治主導には欠かせないですし、戦略を立て、それに沿った政策が必要と思います。

朝比奈 一郎(以下、朝比奈) 全体を統括する戦略局があるのは望ましいことです。それがなかったから、これまで各省庁がバラバラに権利(予算)拡大に走っていました。つまり、それまでの権利(予算)を手放さず、新しく必要な政策に配分がいきませんでした。

佐藤 新しい政策立案のメカニズムとはどのようなことでしょう。

朝比奈 3つの「断」に分けて考えることが必要と考えます。「油断」せずに情報を集め、いくつかの案を作ってメリットとデメリットを「判断」すること。ここまでが役所の職員が担当する仕事です。

 そのうえで首相や大臣などの政治家(として行政に入ってくる人たち)がどの案を採択するか、幅広い民意を反映したうえで「決断」をするというイメージです。決断には、選択されなかったことによる「被害者」への説得・説明などの痛みが伴います。

朝比奈 一郎(あさひな・いちろう)氏
東京大学法学部卒業。米ハーバード大大学行政大学院修了(修士号)。1997年、通商産業省(現・経済産業省)に入省。特許庁、内閣官房行革推進事務局(特殊法人等改革推進室)、資源エネルギー庁、独立行政法人日本貿易保険などを経て、現在、貿易経済協力局資金協力課課長補佐。2003年、新しい霞ヶ関を創る若手の会(プロジェクトK)を同志と共に立ち上げる。改革案の実現に向けて様々な活動を展開中。2006年に外務省「世界の中の日本・30人委員会」委員に就任。9月にメンバーと執筆した『霞ヶ関維新』(英治出版)を出版。ほかに、『霞ヶ関構造改革・プロジェクトK』(東洋経済新報社)、『ハーバード・ケネディスクールでは、何をどう教えているか』(英治出版)。

利害調整から全体的な視点へ

佐藤 何かを選択するということは、何かを捨てることでもありますよね。「被害者への説得・説明」とは、最近で言うと国土交通省の八ッ場(やんば)ダムのことでしょうか。これまでは費用対効果を「判断」しないできてしまったことが随分多かったと思います。民間ではありえません。どのように予算を決めていたのですか。

朝比奈 右肩上がりの時代は予算が増え続けることを前提に、現場レベルの課長や課長クラスがミニ政治家的に「調整」に当たってきました。権限や予算が増えること=絶対的な「善」という暗黙の了解があったわけです。多ければ多いほど良い、白紙のキャンパスに様々な「権限」という絵を描けば描くほど良い、やや極端かもしれませんが、分かりやすく言えばそのような図式がありました。

 ですが、予算が増えない時代、絵があちこちに描かれていて新たに何か書こうとすると既にあるものとぶつかる今の時代の「調整」は難しい。本来、僕らのような課長補佐クラスには「決断」の権限はないので、それでも結果を出そうとすると、調整過程では利害関係者の全員の顔を立て、各意見を足して割る方式になりがちです。

佐藤 税金を払っている側からすると、省庁間の利害を足して、その数で割るような「調整」では納得できません。それが縦割りの弊害なのですね。何に予算配分を優先するかという、全体的な視点がないといつまで経っても同じようなことしかできません。同時に、成果の監査も必要と思います。

朝比奈 これまでは政策の質に疑問は残っても、とにかく政治的な「決断」を待たず、結果を出すために各省庁の了解を取り続け、「決断」を求めずに「この案ですべて収まっています」と報告するのが優秀な官僚と評価される傾向があったと思います。

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