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最低賃金の引き上げが失業者増やす?

民主党の経済政策を点検する(5)

  • 大河 桂子

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2009年10月5日(月)

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 景気には持ち直しの動きが続いていますが、雇用情勢は依然として厳しい状況です。8月の失業率は5.5%と、前月よりわずかに改善したとはいえ、戦後最悪の水準です。これに対して、民主党はどのような雇用政策を打ち出しているでしょうか。

 民主党のマニフェストには、雇用政策として、月額10万円の手当て付き職業訓練制度による求職者支援、雇用保険の全ての労働者への適用、製造現場への派遣を原則禁止するなどの派遣労働者の雇用の安定、最低賃金の引き上げ、ワークライフバランスと均衡待遇の実現が掲げられています。

 これらの政策の意図は明確でしょう。働く人の労働条件を向上させるための規制の強化と失業者の生活を支えるためのセーフティネットの充実です。

規制強化だけで労働条件は改善されるのか?

 今回の急激な景気悪化のなかで、非正規労働者が、相対的には正規労働者に比べて賃金が低い上に、「派遣切り」、「雇い止め」が行われるなど雇用の調整弁となりやすく生活困難に陥りやすいという問題が顕在化しました。民主党の政策は、こうした非正規労働の問題を直接的に解決しようとしています。

 確かに、失業者の生活を支えるためのセーフティネットの充実は必要と思われます。前内閣で雇用保険の受給資格は、6カ月以上の雇用見込み(従来は1年以上)に拡大されましたが、モラルハザードの問題があるとはいえ、雇用調整を受けやすい非正規労働者に受給資格がないという問題は対応が必要でしょう。また、失業者をなるべく早く雇用の場に戻すためには、生活保護を受けずに、生活の保障を得ながら職業訓練を行う制度の充実と恒久化が必要だと考えられます。

法学者と経済学者の見解の相違

 しかし、働く人の労働条件を向上させるための規制強化については、これらの政策を現在のような経済情勢下で実施した場合には、かえって雇用情勢が悪化すると危惧する経済学者、エコノミストは少なくありません。これは、雇用政策を巡って、法学者と経済学者でしばしば意見の相違がみられる点でもあります。

 労働法学者と労働経済学者のコラボレーションである『雇用社会の法と経済』(荒木尚志・大内伸哉、大竹文雄、神林龍編、有斐閣)の巻末座談会の中で、清家篤慶應義塾大学教授は、法学的思考と経済学的思考について「労働法学者が、困っている労働者を助けるためにいろいろな規制や政策を行う必要があるという主張をされるのに対して、労働経済学者は、もちろん困っている労働者を何とかしなければいけないという点についてはかなり同調しながら、しかし、労働法学者がいうような規制や政策を進めれば進めるほど、かえって労働者には気の毒な結果となるのではないか、というコメントが多かった気がする」と述べています。

 このような議論が起きるのは、経済学では、一つの変化が起きたときに、相互作用として何が起きるかを重視するからだと思われます。

 この問題を、消費税率の税率引き上げといった「衝撃」が与えられたとした場合、衝撃がどのように「転嫁」され、実際の負担は誰に「帰着」しているかを例にとって考えてみます。

コメント30件コメント/レビュー

最低賃金については、憲法の精神・理念の実現の一つとして、政治の意思として民主党の政策は実現されねばならないと思います。これは経済先進国として困難でも実現しなければならない課題(有る意味では義務ではないか)と考えます。人材が経済ひいては国の存立の最重要の国(人口減少国)としても、新興国・発展途上国の人件費の引き上げをリードする国で無ければならないと思います。この考えに多分異存ある人は少ないと思います。問題は、制度化すると、存続が困難な言わば限界企業が存在すると言うことだろうと思います。個人と同じく、企業にも、時限的に存続保障的なセーフテイネットが必要だと言うことだと思います。生活保障しながら職業訓練をするという内容にもっと知恵を働かすべきと考えます。例えば、既存の職業訓練施設に企業から講師・指導者(限界企業の経営者を含め)を派遣をする仕組みにする。或は、業界で職業訓練施設を作りそこに政府支援を行う。ここで行う職業訓練と企業内訓練・高校教育・専門学校教育と連携させる。一方で、政策として、例外分野を除き、更に高付加価値企業への日本産業の移行・重点化(限界企業の極小化)を推進すべきと考えます。(2009/10/08)

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いただいたコメント

最低賃金については、憲法の精神・理念の実現の一つとして、政治の意思として民主党の政策は実現されねばならないと思います。これは経済先進国として困難でも実現しなければならない課題(有る意味では義務ではないか)と考えます。人材が経済ひいては国の存立の最重要の国(人口減少国)としても、新興国・発展途上国の人件費の引き上げをリードする国で無ければならないと思います。この考えに多分異存ある人は少ないと思います。問題は、制度化すると、存続が困難な言わば限界企業が存在すると言うことだろうと思います。個人と同じく、企業にも、時限的に存続保障的なセーフテイネットが必要だと言うことだと思います。生活保障しながら職業訓練をするという内容にもっと知恵を働かすべきと考えます。例えば、既存の職業訓練施設に企業から講師・指導者(限界企業の経営者を含め)を派遣をする仕組みにする。或は、業界で職業訓練施設を作りそこに政府支援を行う。ここで行う職業訓練と企業内訓練・高校教育・専門学校教育と連携させる。一方で、政策として、例外分野を除き、更に高付加価値企業への日本産業の移行・重点化(限界企業の極小化)を推進すべきと考えます。(2009/10/08)

最低賃金の大幅な引き上げが、少なくとも不況下の現在においては失業を増やす恐れが強いことは経済学的には皆が同意するでしょう。根本的な対策が需要創出策である事も間違いありません。ここまで経済学的な内容を解説されるのでしたら、もう一歩踏み込んで、「経済学で需要創出策と言えば、まず第一に金融緩和である」というところまで説明すべきではなかったでしょうか。米FRBも英BOEも、だからこそ金利をゼロまで下げてさらに膨大な長期国債を買い入れて、交換にマネーを市場に供給して物価を支えてデフレに陥らないようにしているのに、日銀はポーズだけで長期国債の買い入れはむしろ減らし、(ブタ積みの日銀当座預金を除いた)通貨供給を絞っているために日本はデフレ・円高になっている。それが、日本だけ景気回復に取り残されている大きな要因だという事をちゃんと説明して欲しい。(2009/10/08)

要するに結論は規制緩和をしようが規制強化をしようが全体のパイが増えないことにはゼロサムゲームになるだけで根本的解決にならないということでしょ?全体のパイを増やすには付加価値を増やすしかない.その付加価値を増大するということは要するに「高く売れる商品・サービスを作りましょう」ということだ.みんなが一生懸命そういう努力をすれば時給1000円でも何の問題もおきない.今までのように付加価値を増大させようが何をしようが賃金に反映されずに企業が利益をためこむだけ,ということにはならないんだから,企業が倒産しないように付加価値をふやす努力をみんなでやりましょうよ.そうすればみんな幸せになれる.(2009/10/06)

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