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「出口戦略」は失敗する

  • ノリエル・ルービニ

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2009年10月7日(水)

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巨額の財政赤字と公的債務の増加に依存する現在の政策。これを維持し続けることは、もはや不可能だ。インフレによる調整が最も無難とされるかもしれない。

 世界中の政府や中央銀行による大がかりな金融緩和と景気刺激策、金融システム支援策が、深刻な景気後退が世界恐慌に発展するのを阻んだと一般的には見られている。恐慌を避けられたのは、1930年代の大恐慌や、90年代の日本の失敗に学んだからだ。

 論議は、どのような回復過程をたどるかに移っている。「V字型(急回復)」か「U字型(緩やかな回復)」、あるいは「W字型(二番底のある回復)」かだ。

ゼロ金利で賄われる財政赤字

ノリエル・ルービニ氏
ノリエル・ルービニ氏
ニューヨーク大学スターンビジネススクール教授。経済分析を専門とするRGEモニターの会長も務める。米住宅バブルの崩壊や金融危機の到来を数年前から予測したことで知られる。

 極めて重要な政策課題は、現在の大規模な財政出動や金融緩和政策から抜け出す「出口戦略」を、いつ、どのような手順で行うかだ。米国やユーロ圏諸国、英国、日本など多くの先進国で、巨額の財政赤字と公的債務の急増に依存する政策が取られている。だが、これを維持し続けることは不可能だ。

 巨額の財政赤字は、多くの国の中央銀行が金利を0%まで下げることで賄われている。一方、前代未聞の量的緩和で、資金供給残高は急増。米国の資金供給残高は1年間で2倍を超えた。

 このままだと、どこかの時点で財政危機と悪性インフレが起こり、再び資産バブルと信用バブルが発生するだろう。政府は、過度の流動性をいつ取り除き、政策金利をいつ正常化すべきかを決断し、増税と政府支出削減のタイミングを決めることが重要になる。

 最大の政策リスクは、出口戦略がうまくいかないことだ。政治家はやってもやらなくても非難される。もし財政赤字を積み上げるなら、増税して支出を減らし、過剰流動性を解消すべきだ。

 だが問題は、景気が底打ちしたとはいえ、民間需要の回復が鮮明になる前に財政政策と金融政策を反転させたら、再びデフレや景気後退に向かいかねないことだ。日本はその過ちを1998~2000年に犯したし、1937~39年の米国も同様だった。

 しかし、今の政策を続ければ、デフレ圧力が終息した後に、債券市場が反乱を起こすだろう。そうなるとインフレ懸念が強まり、長期国債の利回りが上昇、ローン金利や市場金利も上がる。結局、スタグフレーション(景気後退下のインフレ)に陥るだろう。

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