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消費者金融を揺るがす「コード71」

業界全体が大幅な自己資本不足に陥る恐れ

  • 高橋 篤史

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2009年10月7日(水)

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 消費者金融業界が断末魔の叫びを上げ始めた。大手のアイフルはついに事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請して私的整理入り。業界全体に過払い金の返還問題が重くのしかかる。

 大手と言えども、水面下で借り手に対して減額交渉を願い出る動きが広がってきた。そうした中、過払い金問題の行方を大きく左右するともされる信用情報「コード71」の取り扱いをめぐる攻防が激しさを増している。

 法律改正による貸し出し総量規制の導入など、消費者金融業界にはいくつも逆風が吹き付けているが、中でも過払い金返還問題は業界にとって“暴風雨”とも言えるもの。2006年の最高裁判決を契機に、かつての「グレーゾーン金利」の返還を求める動きが拡大、その請求額は高止まりを続けている。

 アイフルは2009年3月期に利息返還損失引当金を583億円繰り入れ(実際の返還額は728億円)たが、半年後の今回、1900億円もの追加繰り入れを余儀なくされた。引当金額は過去の返還請求実績と将来見通しを基に見積もるが、その当てが大きく外れた格好だ。

 今期の最終赤字は3110億円に拡大する。さらに来年2月までに計800億円近い社債償還が到来、資金繰りをつけるため、取引金融機関に返済猶予を要請するしか道は残されていなかった。

約9割の減額要請のケースも

 多額のキャッシュ流出を招き、引当金積み増しで自己資本を毀損し続ける過払い金の返還は業界全体にとってまさに死活問題だが、各社は弁済の分割にとどまらず、減額交渉も行い始めているのが実情だ。その動きは今年に入って大手にも広がり、独立系のアイフルや武富士は銀行系に比べてその傾向が顕著になってきているともされる。

 こんなケースもある。破綻した旧クレディアのスポンサーとなり、オーナーの藤澤信義氏がレナウンの大株主にも登場して話題となった業界中堅のネオラインキャピタルも、その急進的な拡大戦略とは裏腹に実のところ減額交渉を行っているのだ。

 買い取りを行った旧三和ファイナンスの債権をめぐり、借り手だった都内の女性から約6万円の返還を請求されたネオラインキャピタルは今年1月中旬、こんな驚くべき回答を女性に対して送りつけている。

 「5000円一括での和解をお願い申し上げます。(中略)過払金返還請求の増加、債務整理の増加により、収支のバランスが崩れてきているのが弊社の実情であり、結果的に財政悪化を辿り、現在、会社存続の危機に瀕しております」

 約9割という減額幅も驚きだが、その理由づけもあまりにあけすけだ。とはいえ、ネオラインキャピタルはこの後も買収戦略の手綱を緩めてはおらず、プロミスやアイフルの子会社を次々と傘下に収めている。債権を買い漁り、過払い金債務を減額することで、利益を極大化しようというのが同社の“ビジネスモデル”なのかもしれない。

 一連の最高裁判決によって法的にほぼ確定されてきた過払い金の返還債務について、実質的には支払い不能状態に陥っているのが今日の消費者金融業界だ。「あくまで個別の任意交渉なので、一般的なデフォルトとは異なる」(業界大手)とは言うものの、きっちりと弁済できないことに変わりはない。もはや背に腹は代えられない状況なのである。

 「過払い金返還請求が曲がり角に来ています。明日では、もう、遅いかもしれません」

 空前の“特需”を狙って雨後の筍のように増えた過払い金問題専門の法律事務所が打つ電車広告では最近、そんな警告まがいのキャッチコピーが見られるようになった。それもこれも、業者側の返還余力がなくなってきたことを受けてのことだ。

 そうした中、注目されているのがコード71の問題である。業界には各社が与信の参考情報を集約する信用情報機関が存在する。借り手の借り入れ実績や返済状況といったホワイト情報を登録・共有し、各社はそれを参考に審査を行っている。そのうち、コード71は借り手の過払い金返還請求の実績に関する情報を意味する。

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