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【隠れた世界企業】「陸海空」駆ける軸受け

近江鍛工[リング状鍛造品の製造]

2009年10月9日(金)

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ベアリング(軸受け)などに使われるリング状の鍛造品で業界をリードする。新幹線向け軸受けでシェア7割、掘削機や建機で海外企業からも引く手あまた。創業から58年、家族のような社員とともに「革新」に努め続ける絆が強みだ。

大型プレス機で約15トンの鍛造品を製造する現場に立つ坂口康一社長(写真:安田 行宏、以下同)

 紫式部が源氏物語の着想を得たとされる石山寺。程近い滋賀県大津市に近江鍛工はある。ローリング鍛工と言われるリング状の鍛造品を製造し、その技術力の高さは世界の企業が認める。

 手のひらに乗るような小さなリングから、直径5m、高さ1.6mで25トンもある大口径のリングまで、幅広く対応する。他社にない1万5000トンの大型プレスを保有。鉄鋼や銅、アルミはもちろん、加工が難しいとされるチタン素材まで請け負う技術を持つ。昨年の生産量は8万1000トン。「国内で3本の指に入る」と坂口康一社長は胸を張る。

 国内では船のエンジン部品や、シェア約70%を誇る新幹線の軸受けなど大型部品に強い。一方、富士重工業の自動車向けなどには小型の軸受けを数多く出荷する。海外では、米ベトコ・グレイに石油の掘削機向けにパイプの継ぎ手を、また建機の米キャタピラー向けにはパワーショベルの歯車を納める。英ロールス・ロイスが中心となって開発した航空機向けエンジンの軸受けも請け負った。

 陸海空と環境を問わず、過酷な使用に耐えられる強度が求められるあらゆる分野において、近江鍛工の鍛造品は活躍している。

 ローリング鍛造は、まず金属の塊から適切な大きさに素材を切り出し、中央に穴を開けて炉で加熱。素材によって異なるが、約1200度まで熱し、炎のように赤く色づいた素材をプレス機で圧延、成型するのが一般的だ。

一貫生産で効率化を追求

 寸法通りに作ればよいのではない。過酷な環境下でも耐え得る粘り強い強度を持たせたうえで、指定のサイズに成型しなければいけない。だが、素材や製品によってプレス機の圧力のかけ方は異なり、機械による全自動化は難しい。機械を扱うオペレーターの技術力が、製品の出来栄えを左右するのだ。

 強みは、先述の大型プレス機と加工精度の高さだけではない。焼き入れや表面処理などの後処理加工は別会社に委託するのが一般的だが、近江鍛工は同じ工場内で一貫生産できるため、完成までの時間が短縮できる。同社が請け負う製品は大型部品が多く、加工を別会社に委託するとその分、輸送費用がかかってしまう。ムダを省くことで、顧客に対してより早く、安い価格で製品を提供できるのだ。

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「【隠れた世界企業】「陸海空」駆ける軸受け」の著者

白壁 達久

白壁 達久(しらかべ・たつひさ)

日経ビジネス記者

2002年関西大学経済学部卒業後、日経BP社に入社。日経ビジネス、日経ビジネスアソシエを経て、2015年から香港支局長としてアジア全体をカバーする。2016年8月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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