「時事深層」

時事深層

2009年10月13日(火)

再規制に“甘える”タクシー業界

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タクシーの減車を可能にする規制強化の法律が10月に施行された。民主党政権の誕生でさらなる規制を求める声さえ聞こえ始めた。単なる「反小泉路線」の追求だけでは、業界の甘えの構図を温存したままになりかねない。

 ほかの産業に先駆けて、規制緩和の揺り戻しが始まった業界がある。タクシー業界だ。10月1日、タクシー事業者への規制を強化し、減車を可能とする特別措置法が施行された。台数の規制がなくなり、新規参入が容易になった2002年の規制緩和から7年余り。業界では早くも新法への期待が膨らむ。

 東京都内の大手タクシー会社の乗務員は言う。「客はいないし、警察の取り締まりも厳しいし。もうやっていられないというのが本音。今回の特措法で少しでも変わればいいけど」。

 もちろん新法施行の効果がすぐに出るわけではない。それでも新法の“即効性”に期待をかけずにはいられないほど、確かにタクシー業界の現場は厳しさを増している。

タクシーが警察の「目の敵」に

 東京地区(東京23区と武蔵野市、三鷹市)の1日1台当たりの平均売上高は約2年間にわたって毎月、減少を続けている。走行距離のうち利用者を乗せている距離を示す実車率はバブル期には55%を超えていたが、今や30%台に落ち込んでいる。

 繁華街や駅のロータリーで客を待つタクシーの長い列もすっかり見慣れた光景になった。東京や大阪などではこの客待ちタクシーが社会問題にもなっている。都内の乗務員は「タクシーは警察に目の敵にされている」と言う。実際、東京・銀座や六本木などを所轄する警察署に夜間寄せられる苦情のほとんどは、客待ちの駐車などタクシーに関するもの。タクシーに対する世間の目は厳しくなっている。

 事故も増えている。東京都内で起きた自動車の人身事故のうちタクシーが関わる事故の比率は2008年で9.8%と1割に迫る水準で、2007年から約2ポイント上昇した。

 これらの状況が2002年の規制緩和がもたらした「副作用」と見る業界関係者は多い。規制緩和は新規事業者の参入を容易にし、運賃やサービス面での競争を促して悪質業者などを排除していくのが狙いだった。

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