著名投資家のジョージ・ソロス氏が温暖化問題に乗り出す。各国政府の環境政策を評価・分析する新組織「CPI」を設立。CPIに1億ドル、環境ベンチャーには10億ドルを投じる。
投資家であり慈善家としても知られるジョージ・ソロス氏が、地球温暖化問題にも取り組み始めた。コペンハーゲンで10月11日、温暖化問題をテーマに112カ国の新聞・雑誌の編集者約300人が集まる国際会議が開かれ、講演したソロス氏自身が明らかにした。
今後10年で1億ドルを投資
柱は3つ。まず、環境政策の立案を支援するための非営利組織「環境政策イニシアチブ(CPI)」を設立する。
「気候変動問題は科学的にはほぼ解明された。今や政治の問題だ。その解決には膨大な投資と実業界の協力が不可欠だが、具体的な法案化や規制の実施となると特定の利害を持つ集団に影響され、本来の法律、規制の狙いが実現できない例が後を絶たない」
こう語るソロス氏は、CPIを環境政策の評価や対策を政策に落とし込む際の問題解決に特化した組織とし、環境対策の実現に貢献したいと説明する。
CPIには今後10年間、毎年1000万ドルを投じ、責任者にはソロス氏の10年来の友人で、エネルギー問題に詳しいスタンフォード大学法科大学院のトーマス・ヘラー教授が就任する。
具体的には、まず、9月の世界20カ国・地域(G20)首脳会議で各国が化石燃料に対する補助金をなくしていくことで合意したのを受け、11月上旬にベルリンで化石燃料と代替エネルギーへの各国の補助金制度の在り方を議論する会議を開催する。3月にはイタリアで代替エネルギー関連プロジェクトに対するファイナンスの在り方に関する会議を開催。5月には北京で、中国政府が打ち出しているエネルギー効率の改善に関して議論する会議を開くなど、活動の場を広げていく。
ソロス氏が参入して来たということは、環境がもうかるようになったということだ。環境バブルの崩壊もまた、近い将来にあるだろう。(2009/10/28)