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「子ども手当」優先の厚生無策

  • 大西 孝弘,飯泉 梓

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2009年10月29日(木)

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厚生労働省が子育ての財源を確保するために5213億円の補正予算を凍結した。その中には未承認薬の開発支援など製薬業界が待ち望むものもあった。対症療法に走ったインフルエンザ対策でも外資頼みが鮮明になりつつある。

 「民主党政権への期待は大きいが、とんでもないことをした」

 10月7日、バイオベンチャーであるノーベルファーマの塩村仁社長は落胆を隠さなかった。2009年度の補正予算が執行停止になることが、その前日に明らかになったからだ。同社はその予算に大きな期待を寄せていた。

 海外では使用できるが日本では承認されていない「未承認薬」について、同社は研究開発を進めている。厚生労働省も未承認薬問題の解決を後押ししており、2009年度補正予算に開発支援金として753億円を計上していた。ところが、補正予算の見直しが進む中で、653億円が執行停止となった。

子ども手当のしわ寄せ

 民主党政権が従来の予算を抜本的に見直している。その中でも大きな見直しを迫られているのが厚労省だ。5兆3000億円とも言われる子ども手当の財源を確保するために、医療に関する補正予算が相次いで執行停止の対象になっている。

 未承認薬の解決は、患者にとって切実な問題だ。

 海外と比べた新薬発売までの期間の遅れを「ドラッグラグ」と呼ぶ。欧米に比べて平均で約2.5年のドラッグラグがあると言われ、患者は高額な未承認薬を個人輸入する場合もある。卵巣ガン体験者の会「スマイリー」の片木美穂代表は、「日本では年間4500人が卵巣ガンで死んでいる。海外では適用が承認されている薬をいち早く日本でも認めてほしい」と訴える。

新薬発売時期の違い

 日本で未承認薬が多いのは、主に2つの理由がある。1つは患者が少なく、薬の承認に向けた費用対効果が悪い点だ。もう1つは、薬事法の規定にのっとって承認審査を行う医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査員が少なく、承認が遅い点だ。

 厚労省はドラッグラグの解消に動いており、その1つが冒頭の未承認薬の開発支援金だった。審査員の増員についても、2009年度の補正予算で42億円を計上していたが、25億円が執行停止になった。

 PMDAは2009年4月に346人の審査員を抱えており、補正予算を使って3年間で140人を増員する予定だった。だが、それが難しくなった。クレディ・スイス証券の酒井文義アナリストは、「承認の迅速化は喫緊の課題だ」と指摘する。日本市場を基盤とする国内製薬会社にとって、母国の承認の遅れは世界展開にも影響してくるからだ。

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