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【隠れた世界企業】菌一筋、白寿のバイオ企業

秋田今野商店(秋田県大仙市・菌類の開発・培養)

  • 鈴木雅映子

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2009年10月30日(金)

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酒が腐らない麹。祖業の菌類開発を99年かけてじっくり育ててきた。「技術が資本」を貫き、時に研究開発に売上高の5倍の10億円を投じて飛躍。麹菌で培った培養技術をテコに、環境・農業分野のバイオ企業へと脱皮を図る。

 秋田県大仙市。「あきたこまち」の稲穂が黄金色に輝くこの場所に「秋田今野商店」がある。

 本社にはいくつもの実験室があり、遠心分離機や無菌状態を作る装置が所狭しと並ぶ。室内はしっとりとした空気で満ち、林立する何百本の試験管には橙色や褐色、深緑色の粉がへばりつく。試験管からは穀物に似た甘い匂いが流れ出している。

 匂いの正体は米や麦で増殖するカビだ。

 昨年秋、オランダの大手農薬メーカーの研究員がこの建物を訪れた。研究テーマは微生物農薬。カビなどの菌類で農作物の生育を妨げる昆虫や病原菌を殺したり、活動を抑制したりする技術だ。菌類は特定の生物にだけ作用し、死んでも土に返るため、土壌を汚染しないと注目が集まる。

 彼らの会社では殺虫に有効な菌類を発見したものの、培養がうまく進まずに壁にぶつかっていた。このままでは採算に合うだけの量を確保できない。秋田今野商店へ相談にやってきた研究者は話を聞き、そして興奮した。

 「うまくいけば100倍近い数の菌の胞子が取れる」

 秋田今野商店はカビなどの菌類を培養し、菌類の胞子を製造・販売するのが主な事業だ。菌類の胞子は培養地で植物の根や茎に当たる菌糸を作って繁殖し、たんぽぽの綿毛のような胞子を作って増殖する。菌ごとに湿度や温度、酸素量や光量を管理して、質の良い胞子をどれだけ多くつけられるかが培養会社の腕の見せどころだ。

社員を4年も研究機関へ

 秋田今野商店は米や麦などの穀物を使った培養を得意とする。世界でも優位性を発揮できる秘密はここにある。欧米では液体を使った培養が主流で胞子を数多く取ることができない。穀物を使った菌類の培養技術こそ、日本古来のノウハウの固まりなのだ。

 同社は1910年に麹菌を培養する会社として創業した。麹菌は日本酒や焼酎、味噌の発酵を促す麹を作るための材料で、蒸した玄米や麦にまいて穀物を麹に変える。穀物が麹に変わる過程で、麹菌が出す酵素が糖を発酵させてアルコールに変える。

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