「若きキャリア官僚たちの秋2009」

経済成長は豊かさの手段であって、目的ではない

【第6回】環境省 福嶋慶三氏《前編》

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2009年11月2日(月)

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 「2020年までに25%の温室効果ガスを削減(1990年比)」という目標を掲げ、地球環境保護の観点から世界をリードしていく姿勢を示した日本。環境省に期待される役割は大きい。

 環境省で官民協働ネットワーク「Crossover21」やYEN(環境マインド若手社会人交流会)など政策形成における市民参加の実現に努め、今は内閣官房副長官補付に異動し、温室効果ガス25%削減のための検討チームに所属する福嶋慶三氏に話を聞いた。

佐藤 ゆみ(以下、佐藤) 12〜13年前、私が環境NPO(非営利組織)活動をしていた頃は容器リサイクル法もなければ、ロハスといった言葉もなく、とてもマイナーな活動でした。トヨタ自動車の「エコプロジェクト」といった辺りからエコという言葉が浸透し、小池百合子・元環境大臣の頃、環境省が率先して「チームマイナス6%」を結成するなど環境問題が身近になってきた感があります。鳩山由紀夫総理による「25%削減宣言」で、さらにその動きは加速しそうです。環境省ではほかの省庁と比べて何か特にエコな動きはありますか。

福嶋 慶三(以下、福嶋) そうですね、例えば、リサイクルボックスが多いですね。地下にコンビニエンスストアがあるのですが、そこにもお弁当容器の回収ボックスを備えつけていただいています。あと、裏紙の使用も徹底しています。使用済みポスターの裏を使って、名刺を作る人も多いですね。

 室温も、夏は28度に冷房温度が設定されているため、実際はOA機器の排熱などで、32〜33度くらいあることもしょっちゅうです。環境省は「クールビズ」発祥の地ですが、実は自分たちの必要性から生まれたのかもしれません。実際、私自身はクールビズの前から、ノーネクタイで仕事をしていました(笑)。

環境省に学べ! エコな取り組み

佐藤 そう言えば、裏紙を名刺にしている方に名刺をいただいた時は驚きました(笑)。室温は健康によさそうですね。民間企業もそこは見習っていただきたいものです。日本全国で夏場に28度設定した場合、どれほどのCO2削減になるのでしょう?

福嶋 慶三(ふくしま・けいぞう)氏
京都市出身。立命館大学法学部政治・行政コース卒業、神戸大学大学院法学研究科公法専攻修了。2002年、環境省入省。温暖化をはじめとする地球環境問題に国内対策・国際交渉の両面から取り組む。内閣官房構造改革特区・地域再生推進室への出向、英サセックス大学大学院(環境開発政策修士)留学などを経て、環境省環境保健部企画課課長補佐。官民協働ネットワーク「Crossover21」、YEN(環境マインド若手社会人交流会)の活動など、政策形成における市民参加を実現するために奔走している(本インタビュー後に、内閣官房副長官補付に異動。現在、鳩山由紀夫総理の掲げる温室効果ガス25%削減のための検討チームに所属)
(写真:佐藤 ゆみ)

福嶋 例えば、クールビズについて環境省がアンケートを取って試算したデータによると、2008年度では、CO2削減量は約172万トン−CO2とのことで、これは約385万世帯の1カ月分のCO2排出量に相当するとのことです。

佐藤 それはすごいですね! 議員会館にいる代議士や議員も見習ってほしいものです。意外と国会内はムダが多くて驚きました。5年前は議員会館にさえ電池の回収ボックスがなかったので、調べて作ってもらったくらいです。ちなみに札幌市は電池の回収が義務づけられていますし、リサイクルできないゴミは有料です。環境委員会の秘書仲間で話していた時、法改正ごとにすべての代議士・議員に配布される法案案内や官報は代議士もほとんど見ないのに紙で来るから資源と税金のムダと言っていました。そういったものは電子メールでもいいと思います。

福嶋 私もそう思います。ただ、私が役所に入った頃に比べれば、随分と紙は減り、メールが多くなってきたと感じます。それでも、英国の環境省などに比べると取り組みが遅れているなあと思います。以前、英国に留学をしていた際に、英国の環境省でインターンをしていたことがあるのですが、紙の束を綴じたドッジファイルの類を目にしたことがなかったですね。ほとんどの書類は、電子データでの保存・管理が基本でした。ぜひ、見習えるところは見習っていきたいです。

佐藤 そういった英国の取り組みは見習うべきですね。25%達成のためにも、予算のムダを削減するためにも、まずは国会議員から模範となっていただきたいものです。

女の子のために、官僚を目指す!?

佐藤 福嶋さんはお仕事以外でも、環境に関する活動や勉強会をされているほど熱心ですよね。環境省を志望された動機を教えてください。

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著者プロフィール

佐藤 ゆみ(さとう・ゆみ)

佐藤 ゆみ政治アナリスト、マナー・礼法講師。札幌市出身。米国ルイス&クラーク大学留学、政治学・国際関係を学ぶ。帰国後、総合広告代理店にプランナーとして勤務。その後、衆議院選に出馬。政策担当秘書として国会議員の各種政策立案に携わる。現在、INTEGRACE(インテグレース)代表。企業・個人を対象に印象マネジメント、営業・接遇マナー、時事研修を実施中。ハリウッドビューティサロン「美人講座」講師。政治を切り口にしたコンサルティング・研修には定評がある。ウェブサイト「人を動かすマナーの法則」連載。



このコラムについて

若きキャリア官僚たちの秋2009

税金のムダ遣い、縦割り行政の弊害、天下りの横行・・・。様々な批判が浴びせられる官僚たち。政権を担う民主党はマニフェストで「国家公務員の総人件費を2割削減する」と掲げた。日本の高度成長を支えた官僚の後輩たちは、どんな現状認識を抱いているのか。そして、国家運営に対する志は残っているのか。生の声から探っていく。

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