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合法であっても“お行儀が悪い”吉本興業

非公開化に高まる少数株主からの訴訟リスク

2009年11月9日(月)

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 10月29日、クオンタム・エンターテイメントによる吉本興業株式のTOB(株式公開買い付け)が終了した。発行済み株式総数の85.06%、議決権の88.52%に当たる応募があり、下限目標値の7割を超えた。

 クオンタム・エンターテイメントはソニー前会長の出井伸之氏が代表を務め、在京民放キー局5社、電通、ソフトバンク、ヤフーのほか、パチンコの京楽産業、かねてから提携関係にあった着メロ用音源技術提供のフェイス、大成建設、岩井証券、そして吉本家の資産管理会社である大成土地の共同出資会社である。

 出資者の顔ぶれは吉本興業の「主要販売先」で、この中には金融機関は入っていない。有利子負債は連結ベースで31億円しかないのだから、当然と言えば当然なのかもしれない。

 株を買い付けるクオンタム・エンターテイメントに出資する会社が、それまでに保有していた吉本興業株は議決権ベースで合計19.13%。このほか金融機関が保有する25.75%と合計で45%弱までは確実に読めた数字だろうが、残る約40%程度は読めない中で獲得できた株数ということになるのだろう。

 その一方で、今回応募しなかった、議決権ベースで11.48%の株主は今後どうなるか。

 早晩、吉本興業は上場廃止の申請をし、上場廃止後は、株主本人の意志とは無関係に、強制的に会社側から株式を買い上げられてしまい、2010年6月頃までには吉本興業の株主ではいられなくなる。

 というのも、クオンタム・エンターテイメントは当初から「吉本興業の100%子会社化を目指す」と言っており、なおかつ現在の会社法の規定では、まず間違いなく実現可能だからだ。

 具体的には、2010年1月頃をメドに臨時株主総会を開き、定款を変更する。変更点は、(1)普通株式以外に種類株式が発行できるようにすること、そして(2)発行済みの普通株式に『全部取得条項』を付けられるようにすることの2点である。

 定款変更に必要な議決権は3分の2。通常100%支配を目指してTOBを実施する際、7割保有を目指すのは、この定款変更に必要な議決権を確保できることを前提とするからだ。

 クオンタム・エンターテイメントは88.52%を確保しているのだから、定款変更はまず確実に実現する。普通株式に全部取得条項が付くということは、今回TOBに応募しなかった株主から、会社側が強制的に株式を買い取れるようになる、ということを意味する。

 買い取る際には普通株ではない「種類株」を発行するのだが、この時に、発行する種類株が端株になるように額面を設定して発行する。端株には議決権がないので、株主側は発行を受けた端株を会社側に現金で買い取られることになる。

 普通株と種類株の交換比率は、TOB価格で算定して決めるのが一般的なので、TOBに応募しなかった株主も、TOBに応募していたのと同じように、TOB価格×保有株数分の現金を受け取ることになる。

 TOBに応募しようがしまいが、結果は同じなのである。

法の無知を、法は救済しない

 ただ、この会社法の規定、一般の投資家における認知度はまだまだ低い。旧商法時代は、会社が株主全員から株を買い取ろうとする場合、その全員の同意を必要としていたのだが、会社法ではこの同意が不要になった。

 だが、この会社法の規定を知らない投資家は、自分の意志にかかわらず株式を強制的に買い上げることが合法なのだ、ということに当然納得しない。なぜそんなことが合法なのか理解できないのである。

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