「時事深層」

薬事法規制を嗤う“脱法”の真意

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2009年11月12日(木)

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6月施行の改正薬事法の関連省令を「違憲」として行政訴訟を起こしたケンコーコム。海外子会社を設立し、日本の消費者向けに規制対象の医薬品を輸入販売し始めた。「個人輸入」との主張で薬事法を“脱法”するその真意とは。

 日本の薬事行政に突きつけた痛烈な皮肉と言っていい。

 10月26日、医薬品・健康食品のインターネット通販大手ケンコーコムの子会社が新サイト「ケンコーコム シンガポール」を立ち上げた。

 販売されている商品群を見ると驚く。胃腸薬「ガスター10」、発毛剤「リアップ」、水虫薬「ウィンダム液」、咳止め「アスメトン」など、6月1日に施行された改正薬事法で「第1類医薬品」に分類され、付随する厚生労働省令によってネット販売が禁じられている商品が並んでいるからだ。

 ケンコーコムは現在、その規制自体が憲法に違反しており無効であるとして行政訴訟を起こし、国と争っている。一見、同社が薬事法を踏み倒して、第1類医薬品のネット販売を強行したかのように見える。

 ところがこれは違法行為ではない、というのが同社の主張だ。

 ケンコーコムは9月、全額出資の子会社「ケンコーコムシンガポールプライベートリミテッド」をシンガポールに設立した。あらかじめ日本から商品をこの子会社に一括して送っておき、注文を受けると小口で配送する。この取引を同社は、日本の消費者による医薬品の「個人輸入」であるとする。

 販売価格は国内ドラッグストアの価格とほぼ同じ。送料は650円かかるが、8000円以上購入すれば無料になる。「消費税が非課税のため、その分でも物流コストを吸収できる」と同社。1万6500円以下の個人輸入には関税もかからない。商品は空輸され、およそ1週間で自宅に直接届く。

規制が生む違法と脱法

 ケンコーコムは、法律事務所を通じて、この「個人輸入」の仕組みによる医薬品販売が薬事法に触れるかどうかを厚労省に照会し「問題ない」との回答を得ている。

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著者プロフィール

池田 信太朗(いけだ・しんたろう)

日経ビジネス記者。



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日経ビジネス “ここさえ読めば毎週のニュースの本質がわかる”―ニュース連動の解説記事。日経ビジネス編集部が、景気、業界再編の動きから最新マーケティング動向やヒット商品まで幅広くウォッチ。

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