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鳩山・友愛演説、もやもやの理由

成長なくして友愛なし

  • 竹中 正治

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2009年11月11日(水)

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鳩山首相の国会での所信表明演説に釈然としないものをずっと感じていた。それは「友愛」が「反市場主義」「反近代主義」に傾斜するのではないかという懸念だ。


 鳩山由起夫首相の国会での所信表明演説をテレビで観てから、釈然としないもの、一種の懸念をずっと感じていた。しかしその正体がなかなか自分でつかめないでいた。

 演説の調子自体は政権交代を果たした新政権の首相としての気概を感じさせるものだった。演説内容には「友愛」や「人のための経済」「支え合いの精神」など美辞麗句系の言葉が目立つが、それはこの種の政治演説にはつきものだ。

 メディアでは「成長戦略が弱い」「具体性に欠く」などの批判から、「温かい資本主義復権の時」(佐藤隆三、10月27日付け日本経済新聞経済教室)など既に様々な論者の賛否が出回っており、どれもそれぞれある程度は正しいのだが、私の感じていることにぴたり来ない。

「日本企業は家族的友愛経営を放棄した」のだろうか?

 少し以前のニュースを検索していた時、鳩山政権に対する私のもやもやした懸念を象徴する記事に出会った。

 10月5日、亀井静香大臣は日本経団連の御手洗会長との面談でこう言ったそうだ。

「(大企業経営者は、日本型経営を捨て)人間を利益を得るための道具として扱っている。(家族間殺人が増加しており)社会までおかしくした責任を感じなければだめだ」

 当然、御手洗会長は納得できず「私どもの責任でしょうか?」と発言したとも報じられている。

 いきなり家族間殺人や自殺者数の問題に結び付けるのは亀井大臣流の飛躍だとしても、90年代以降に失業率が趨勢的に上昇し、非正規雇用が増えているのは周知の事実だ。亀井大臣流に解釈すると、これは日本の企業が家族的な友愛を大切にする日本型経営を放棄した結果だということになる。本当だろうか。

「終身雇用は日本の文化」などというのは間違い

 図表を見て頂きたい。これは内閣府が発表している景気動向指数(遅行Composite Index、横軸)と失業率(縦軸)の時系列分布図である。景気が良くなれば(景気動向指数が上がれば)失業率は低下し、逆なら逆となる。景気動向指数と失業率の間には負の相関関係があり、分布図は右下がりの分布を示す。

 ところが、明らかに1980~95年までと、2000年代以降とでは右下がりの分布傾向は同じでも景気動向指数に対応する失業率が高くなっている。

 これは日本企業が「旧き良き日本の伝統」であった日本型経営を放棄した結果なのだろうか。

 資本家対労働者という階級対立の構図ではなく、「労使協調で終身雇用を守るのが伝統的な日本的企業経営である(だった)」というイメージは一般に根強く、大企業の経営者自身がそうした自己イメージを抱いている場合も多い。

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