サントリー流「やってみなはれ」精神で、20年前に開発着手した青いバラが発売された。開発成功の発表は2004年。だがすぐに事業化とは、いかなかった。青い色素を作り出す遺伝子を人工的に組み込んだため、生態系への影響を確認した。
11月3日、サントリーホールディングス傘下のサントリーフラワーズから、世界初の青いバラ「ブルーローズ アプローズ」が発売された。1990年、花卉(かき)事業への参入と同時に「世の中で不可能と言われている青いバラを作ってみなはれ」と2代目社長の故・佐治敬三氏がぶち上げたのが、開発のきっかけ。それから約20年の歳月と、30億円余りの費用を費やした。

価格は1本2000〜3000円で、従来のバラの2倍以上と高価。しかし、国内での販売目標は2011年で20万本、金額ベースで約6億円と収益貢献度は大きいとは言えない。
遺伝子組み換えの安全性を検証
それでもこれだけ長期間、開発が続けられたのは「創業者・鳥井信治郎から続くサントリーの企業精神『やってみなはれ』の象徴」(サントリーで研究開発部門を担当する辻村英雄常務)だったからだ。発売日の11月3日は、佐治氏の命日でもある。
読者の中には「青いバラは数年前に開発に成功していたはずでは」と思う方もいるだろう。確かに、サントリーが青いバラを発表したのは5年前の2004年のこと。画期的な技術開発だとして、世間の注目を集めた。
では、この5年間サントリーは一体何をしてきたのか。
青いバラは遺伝子組み換え技術によって誕生した。つまり、自然界には本来存在しないものだ。そのため、一般に栽培したり、販売するためには、ほかの遺伝子を持つ植物と交配する交雑などで、生態系に影響を与えないことを実証し、農林水産省から認可を得ることが必要だった。
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