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【隠れた世界企業】製薬、飲料が求める米成分

築野食品工業(和歌山県・米油の製造、販売)

2009年11月19日(木)

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精米時に取れる米ぬかを原料とし、米油や様々な栄養成分を作り出す。風評被害を乗り越えるため業務を多角化し、海外に打って出たことが成長につながった。自ら主催した国際会議で知名度を上げ、世界の製薬、飲料会社がはるばる訪れる。

 築野(つの)食品工業は米ぬかから絞り出した米油で、国内最大規模の生産者だ。さらに最近では、米油や米油を取った後の脱脂ぬかを使った天然成分の精製にも力を入れている。

 「ファイト、イッパーツ!」

 肉体派の男性タレント2人がこう叫ぶTVコマーシャルで知られる大正製薬のドリンク剤「リポビタンD」。これに含まれるイノシトールと呼ぶ栄養成分を、米ぬかから精製しているのが築野食品だ。年間約400トンを生産し、世界でも有数の規模を誇る。

 イノシトールは細胞の成長に関係があるビタミンB群の一種として知られ、脂肪肝、肝硬変などの予防薬や栄養ドリンク、乳児用ミルクなどの添加物に使われる。

 そのため、国内だけではなく、海外の食品、製薬会社も築野食品に注目し担当者がはるばる訪れる。

 「随分と山深い場所に工場があるものだ」。彼らは必ずこう、感想を漏らすという。

 築野食品は和歌山県かつらぎ町にある。JR和歌山駅から2両編成のローカル線に揺られること約1時間、柿農園が散在するのどかな農村地帯にある無人駅「妙寺」に到着する。昼下がりの駅前は閑散とし、古い建物が並ぶ大和街道が東西に走る。

 しかし、駅からしばらく歩を進めると、突如として築野食品の大きな工場が現れる。街道からは工場に向かって油を積んだタンクローリーがひっきりなしに出入りしている。

米油の製造ラインで製品を手にする築野富美社長(右)。「米油の素晴らしさをもっと伝えていきたい」と語る (写真:福島 正造)

 築野富美社長は「ここから日本全国の小売店やメーカー、そして世界に製品が輸出される」と誇らしげだ。

 米ぬかは玄米を精白する時に出る。玄米100kgに対して取れるぬかは8kg程度、そこから取れる米油は1kg程度だ。米ぬかは精米工場や米販売店、食品加工業者から買い取る。大阪府、兵庫県、埼玉県にある3つの自社工場と5社の協力工場で米ぬかから原油を抽出する。そして、すべての原油を和歌山県の本社工場に集め、食用油に精製するのだ。

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「【隠れた世界企業】製薬、飲料が求める米成分」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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