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花王・尾崎元規社長「情報は商品と同じ価値がある」

  • 戸川 尚樹

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2009年11月20日(金)

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 情報は、人、モノ、金に並ぶ経営資源である。ところが情報やそれを管理する企業内の情報システムを使いこなし、経営効果を生み出している企業はあまり多くはない。巨費を投じて完成させた情報システムが期待していたほど“機能”していないことに苛立ち、「システムはただの金食い虫に過ぎない」と吐き捨てる日本の経営者も少なくない。情報活用が重要とされる時代に、これではまずい。情報化を賢く進めることは、日本のビジネスパーソンに共通する課題だろう。

 経営陣と現場の担当者が一体となって情報化を進め、経営効果を生み出す――。こうした理想的な姿が花王にある。情報化で経営効果を生み出すコツは何か。今年4月、先進的とされていた国内の情報システムを“破壊”し、世界標準システムを手に入れた花王の尾崎元規社長に語ってもらった。

(聞き手は日経コンピュータ編集、戸川 尚樹)

尾崎 元規(おざき・もとき)氏
花王代表取締役 社長執行役員
慶応義塾大学工学部卒業後、1972年4月に花王(当時は花王石鹸)入社。パーソナルケア事業本部副本部長やサニタリー事業本部副本部長、化粧品事業本部長、ハウスホールド事業本部長を務める。2002年6月から取締役兼執行役員に就任。2004年6月から現職。システム部門に約3年間在籍し、システム開発業務の経験がある
(撮影:ノザワ トシアキ、以下同)
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 ―― 約10年と100億円(本誌推定)を費やして、アジア地域や欧州、米国、日本にあった、生産や販売などの業務を支える情報システムを再構築しました。各国拠点でバラバラだった情報システムを標準化し、この4月に完全統一したわけですが、その理由を教えてください。

 尾崎 メーカーである当社にとって商品が重要であることは当然のことですが、情報もそれと同じぐらいの価値があります。商品が優れているだけでは、十分とはいえません。

 今や、生産や販売、経理などに関する正確なデータを日々、収集・分析できるようにしておかなければ、世界で勢力を拡大している欧米系のモダントレード(仏カルフールや英テスコなど世界展開している大手小売業)と取引することは難しいのです。

 商品別の販売量や収益率といったデータに基づいて、価格や納期を提案する。こうした力がなければ、なかなか大手店舗の棚を取れません。

グローバル競争で戦うために必要な戦略、先行投資

 尾崎 アジアや欧米、日本の順に、業務の進め方や業績を評価する指標、それらを反映した情報システムを標準化し、統一する。これは、経営の意思決定スピードを高めるためにも、避けられないことでした。

 今回の情報化投資は、5~10年後に花王がグローバル競争で戦うために必要な戦略投資、先行投資という位置付けです。

 日本にも標準システムをこの4月に導入しました。この決断は、仮に世界同時不況の後だろうと、変えなかったと思います。新システムの導入作業の途中では実際に不況に見舞われましたが、プロジェクトを中断するなどということは、一切考えませんでした。

 だからといって、情報化投資に甘いというわけではありません。システム投資額については、拠点ごとに投資対効果を見極めて決めています。システム導入の効果を測定するのは難しいのですが、担当者にはなるべく数値化するよう言っていますよ。

 ―― 日本に先行して2005年2月、アジア全域に標準システムを導入しました。米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や英蘭ユニリーバなどとの競争力を高めるための“武器”として、経営効果を生み出しているようです。

 尾崎 アジア一体運営を実現するために整備した、「ABS(アジアン・ビジネス・シンクロナイゼーション)」と呼ぶ情報システムがそうです。

 既にタイや香港、中国などアジア拠点は、ABSシステムを導入したことで、販売や生産、在庫などに関する正確なデータを日々、分析できるようになりました。これによりアジアに出店しているモダントレードとの交渉力も上がっています。

 現場の動きも良くなりました。ABSシステムで見られる業務の数値を見れば、生産や販売など現場の担当者は自分が手を打つべき点が分かるようになっていますから、業務改善スピードも速くなっています。改善活動で成果を上げた担当者やグループに対しては、表彰制度できちんと報いています。

「世界一体運営」を進化させるため日本が合わせた

 尾崎 こうした取り組みの結果として、アジア市場のコンシューマ商品の売上高は2009年3月期決算で前年に比べ10%伸ばすことができました。これは確かに喜ばしいことですが、それより評価していることがありましてね。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授