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「すれ違い」報じた英米

オバマ米大統領初来日

2009年11月24日(火)

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日米関係がかつてなく冷え込む中で開かれた日米首脳会談。英紙などは米軍基地問題を巡って、沖縄の歴史的背景に理解を示す。だが、問題解決に向け、日本が早急に具体案を出すべき、という論調も強まっている。

 普天間基地移設問題を巡り、日米関係がぎくしゃくする中、11月13日に行われた鳩山由紀夫首相とバラク・オバマ大統領による日米首脳会談ーー。英米の経済紙はどう報じたか。

 英フィナンシャル タイムズ(以下FT)は会談の翌朝、オンラインのトップページで「両首脳は半世紀に及ぶ同盟を深化、発展させることで合意したが、両国の対立を覆い隠すことには失敗した」と報道。日米関係の先行きに対する懸念を示した。

「沖縄の歴史を理解すべき」

 首脳会談後の共同記者会見で、鳩山首相が民主党が総選挙で約束した基地の県外移設に対する沖縄県民の期待に触れながら、(日米の閣僚級で11月17日にも議論を始める)作業部会は普天間基地移設の「問題解決」が狙いだと述べたのに対し、オバマ大統領は「作業部会は両国政府が合意した約束の履行に焦点を当てるだろう」と発言。両者が大きく食い違った。この点を指摘、「両国は最大の懸案事項である米軍移設問題については合意とはほど遠い状況にあることをさらけ出した」と断じた。

 また、「誕生して10年の中道左派である民主党の政権下で日本が外交政策をどう発展させていくかが依然不明のままだ」と日本が明確な方針を出さないことに問題があると指摘している。

 FTは9月以降、鳩山政権が「日米関係を見直す」としたことについて、50年ぶりの政権交代なのだから「冷静に対応すべき」と一貫して主張してきた。

 オバマ大統領の訪日2日前の11月11日には、前日本支局長を務めたデイビッド・ピリング氏が、「大統領は沖縄の歴史をよく頭に入れたうえで来日すべきだ」と指摘。「ボリビアのサンタクルーズには、1950年代に基地を作るために沖縄から米軍に追い出された人々が苦労して開拓した農場地区がある。今でこそボリビアの発展モデルとされるが、その過程では多くの人が飢えや病気で死んだ」。記事冒頭から日本人もあまり知らない南米での沖縄開拓移民の苦労話を披露。戦時中、日本軍に自決を余儀なくされた県民の惨状を記録した作家大江健三郎氏の『沖縄ノート』にも触れ、「沖縄の歴史的な負債は山のように大きい」と説明した。

 「多くの米国防関係者は、なぜ日本政府が従来通り沖縄に、その意思を押しつけられないのか理解できずにいる」と日米関係が冷え込みつつある現実を指摘しつつも、「オバマ大統領は、戦後アジアの安定を支えてきた半世紀に及ぶ日米同盟の議論では、日米だけでなくもう1人当事者(=沖縄)がいることを理解すべきだ」と強調した。

 もっとも、同記事は米国にも深い理解を示している。「中国が自信を深めている時に、米政府としては最も重要なアジア同盟に亀裂が入ったように見せることだけは避けたい、と必死だ」。ブッシュ前政権が振り向きもしなかったアジア地域と、貿易も含めた緊密な関係をいかに築くかが、今後の米国経済復活のカギを握る。そうした中で、アジア外交の要である日米同盟が揺らいではならない、というわけだ。

コメント3件コメント/レビュー

米軍の軍事力が平和を守っていると言う幻想(やくざの論理)の中で、日本はみかじめ料を米軍にいくら払うのか、米軍駐留の負担を沖縄に押し付けてきた過去をどう清算するのか。民主党は議論を起こすべき。米国の世論、特にWASPの論理は、カウボーイ論理=撃たれる前に撃ち殺せ、であり、軍事的貢献の無い日本は米の属国、と考えているのは周知のこと。日本がそれに組して得られるものは何も無い。長らく外交力とは軍事力だった。軍事力を背景としたパワーゲームが外交交渉だった。しかし、中東を見れば明らかなように、現在その論理は完全に破綻している。軍事技術の発展や世界の多極化は、武力を外交のツールでは無くしてしまった。行き詰まっている米国軍事外交に盲従することが米国の、そして日本の利益にもならないことは明らか。(愚痩子)(2009/11/24)

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「「すれ違い」報じた英米」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

米軍の軍事力が平和を守っていると言う幻想(やくざの論理)の中で、日本はみかじめ料を米軍にいくら払うのか、米軍駐留の負担を沖縄に押し付けてきた過去をどう清算するのか。民主党は議論を起こすべき。米国の世論、特にWASPの論理は、カウボーイ論理=撃たれる前に撃ち殺せ、であり、軍事的貢献の無い日本は米の属国、と考えているのは周知のこと。日本がそれに組して得られるものは何も無い。長らく外交力とは軍事力だった。軍事力を背景としたパワーゲームが外交交渉だった。しかし、中東を見れば明らかなように、現在その論理は完全に破綻している。軍事技術の発展や世界の多極化は、武力を外交のツールでは無くしてしまった。行き詰まっている米国軍事外交に盲従することが米国の、そして日本の利益にもならないことは明らか。(愚痩子)(2009/11/24)

非常に参考になりました。おもしろいと思ったのは日本のメディアの反応もWSJと大して変わらないなということがわかったことです。FTさすがということなのでしょうが、もの足りなく感じるのは米系のメディアがWSJしか取り上げられておらず、肝心のアメリカでは今回の訪日がどう論じているのかがわからないことです。それとも取り上げるのに足りない内容だったとか?(2009/11/24)

鳩山総理にあまり難しい要望をしないでください。恵まれた家庭で育ったのですから。(2009/11/24)

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