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政策には再検証と再評価が必要だ

【第9回】文部科学省 北郷太郎氏《後編》

  • 佐藤 ゆみ

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2009年11月30日(月)

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 原子力政策や生命倫理政策など、有識者の間でも意見が分かれる現場に直面した文部科学省の北郷太郎氏。前回は、こうした経験を踏まえて、官僚のあり方について話を聞いた。

 今回は、東海村JOC臨界事故への対応やヒト・クローン胚の検討といった現場での取り組みと、そこから導き出される教訓について語ってもらった。さらに、子育てをしながら働く霞が関の実情についても触れていく。

■記事の最後に筆者が企画する「政策座談会」のお知らせがあります。

佐藤 ゆみ(以下、佐藤) 職場のことをもう少し具体的にお聞きしたいのですが、役所の仕事文化で良いところはどのようなところだと思いますか。

北郷 太郎(以下、北郷) やはり、若手の書生論の様な青臭い提案でもオープンに聞いてもらえるところかと思います。そうした職場文化は、自ら方針を改め、新しい方針を示す組織の力の土台だと思います。

佐藤 でも、役所は古くなった政策に固執したり、過去の過ちを認めなかったりする気がしますけど。政策秘書の頃、いろいろな委員会、部会、プロジェクトチームなどに代議士の代理で出席していましたが、ベテラン官僚の多くは代議士の方が何を追求しても議論にならないような官僚答弁に終始し、あいまいに締めくくられてしまっていましたが・・・。

上司に意見を言う文化はある

北郷 そうした部分ばかり強調されている気がします。役所には、上司に公然と反論し、意見を言える文化がもともとあります。内閣府に出向していた時、民間からの出向の方から話を聞くと、民間では社長が言ったらもっと絶対的とのことでした。まあ、相対的な違いかもしれないですが。

佐藤 役所に出向している企業というのは少々特殊な気もしますので比較対象としてはどうかと思う部分もありますが、社長が言ったら絶対、というのはあるかもしれませんね。そう思っている経営者も多い気がします。役所の風通しの良さについて、何か具体的なエピソードがあれば教えてください。

北郷 太郎(ほくごう・たろう)氏
一橋大学卒、同大学院修了。1996年旧科学技術庁入庁。内閣官房、内閣府、文部科学省及び経済産業省において、原子力政策、生命倫理政策、知的財産戦略、産学官連携など、科学技術政策に関わる広範な業務に従事。この間、東海村のJCO臨界事故の被害賠償対策、総合科学技術会議によるヒト受精胚の法的地位の検討などにも取り組んだ。現在は、大学などの研究成果によるイノベーションを推進する産学官連携政策を担当。
(写真:佐藤ゆみ)

北郷 例えば、10年前、茨城県東海村で日本初の原子力事故であるJCO臨界事故があったのですが、当時、私は原子力賠償制度の担当官でした。その時、上司の局長と賠償制度の在り方を巡って見解の相違があり、私と少し年次が上の上司と2人で深夜0時から朝方まで局長室で局長に直接反論を続けることになってしまいました。

 局長は地域への配慮を強調する観点で意見があり、我々は法律解釈の点で譲れない点があったのですが、その方は、最後には、「普通はね。そこまで上司の言うことを聞かないと、飛ばされたりもするのだぞ」とおっしゃりつつも、意見は採用してくれました。

 そのために、局長ご自身は、その後の国会対策や地元対策で大変なご苦労をされました。当時の我々の主張が正しかったかどうかについては、いろいろな議論があると思うのですが、若手担当の指摘を、長時間の議論のうえで、ご自身にとっての大きなリスクを承知で採用されたその局長のことは、今でも大変尊敬しています。

佐藤 当時は大変な社会的事件だったと覚えています。私も個人的に茨城県に関わっていた時期があるのですが、事故の物理的な影響は無くても、地域が受けた間接的な影響はとても大きかったと思います。

10年後に実現した制度改正

佐藤 東海村の事故の被害賠償は、結局、全体的にはうまく行ったのですか? 一時は大変そうでしたが。

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