植物プランクトンから石油など燃料を作る取り組みが脚光を浴びている。トウモロコシやアブラヤシなどと比べて、圧倒的に生産効率が高いのが理由だ。米国は量産化に着手する中で、研究実績のある日本の動向が注目されている。
ワカメやコンブといった海藻の仲間から、石油やエタノールなどを生産するバイオ燃料のプロジェクトが、全世界で相次いで立ち上がっている。海藻の仲間といっても、油分の生産に使われるのは、大きさが数マイクロメートル(マイクロは100万分の1)ほどになる植物プランクトンだ。学校教育で教わる「ミドリムシ」のようなもので、「微細藻類」と呼ばれている。
効率はトウモロコシの100倍

大きさは小さいが、その生産効率は目を見張る。筑波大学大学院生命環境科学研究科の渡邉信教授の試算では、藻を1ヘクタールのプールで栽培した場合、生産量は最小でも47トン、最大では140トンにもなり得るという。同じ植物で1ヘクタール当たりの燃料生産量を見ると、トウモロコシが0.2トン、大豆が0.5トン、パーム油のもとのアブラヤシが6トンになる。藻の生産効率はトウモロコシの100倍超に上る。
こうした特徴に目をつけ、米国では、藻を利用した石油生産に巨額投資が続いている。米エネルギー省(DOE)は今年5月に大学、企業で構成する「藻コンソーシアム」に5000万ドル(約45億円)を拠出する計画を発表した。同じく7月には世界最大手の石油会社、米エクソンモービルが、藻に関する研究開発に6億ドル(約540億円)を超える投資を実施すると発表した。
石油ショックが契機に
米国の藻の研究は、1970年代の石油ショックにさかのぼる。DOEは「アクアティック・スピーシーズ・プログラム(Aquatic Species Program)」として投資を続けてきた。90年代も、大規模な試験を進めた。2004年以降の原油価格の高騰が実用化熱に火をつけた。今や創業間もないベンチャーから、年間1兆円規模を稼ぎ出す石油メジャーまでが開発競争に参戦している。
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