日本航空(JAL)の再建をめぐり設置された「JAL再生タスクフォース」が10月末に前原誠司国土交通大臣に提出した報告書の全容が明らかになった。資産査定により判定された実質債務超過額は、巷間伝えられていた額をはるかに上回る7220億円。
報告書はJALの病巣を白日のもとに晒すものだ。ただ一方で、タスクフォースの見立てにはいくつかの疑問も浮かんでくる。
「事業再生計画案」と題された文書は10月29日付で、総計100枚弱に上る膨大なもの。産業再生機構OBを中心とするタスクフォースが約1カ月をかけて資産査定を行い、立案されたものだが、銀行団や財務省などの反発を受けて封印された。

とはいえ、後を引き継ぐこととなった企業再生支援機構が今後策定する再建計画の叩き台となる公算は大きく、11月20日に行われた事業再生ADR(裁判外紛争解決)の第1回債権者会議でも会社側から参考資料として提示された。
注目された資産査定結果は目を見張るような数字が並んでいる。「2009年6月末実態貸借対照表」を見ると、資産サイドで4485億円減少する一方、負債サイドが4523億円増え、結果として純資産は7220億円のマイナス(=債務超過)とされた。
資産の減少で大きな要因は機材(航空機)の評価損計上だ。報告書が前提とするのは、保有する機材280機(うちリース109機)のうち、今年度と来年度からの再建5カ年計画の間に75機を売却するというもの。売却対象は全機退役となる「B747-400」(保有41機)と「MD90」(16機)が中心となっている。
1機当たりの評価額は、世界中の航空機バイヤーが参考とし、事実上の中古機価格となっている「AVACブルーブック」の直近市場価格の50%が基本ベース。かなり厳しめの値付けといえる。機齢にもよるが、「B747-400」は今年度の売却見込み額が13億〜24億円とされ、旧来型の「B747」に至っては1億1500万円の破格値で叩き売るとしている。
その結果、バランスシート上に7293億円が計上されていた航空機資産はほぼ半分の金額に減価され、評価損は3680億円にも達する。また、これに伴い部品など貯蔵品も見直すこととなり、こちらも評価損は215億円に上る。
年金問題は、会社計画を踏襲
一方、負債サイドの増加要因で大きいのは、退職給付債務の未認識分の一括計上で、退職給付引当金の増加額が2869億円などとなっている。ほかには、国際カルテルに伴う独禁法関連引当金を53億円から260億円積み増す点が目を引く。
報告書では巨額の実質債務超過を埋めるため銀行団に2500億円の金融支援を要請し、合わせて3000億円の資本増強も行うとしている。金融支援の内訳は債権放棄が2200億円と債務株式化が300億円だ。
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