「話題閑題」

2010年、プライベートブランドの普及期に入るのか

欧米スーパーのように品揃え2〜5割がPBの時代になるのか

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2009年11月30日(月)

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 スーパーの売り場はいつの時代も、その時々の日本の経済や消費者の生活の変化を映してきた。1960〜70年代の高度成長時代には次々に発売されるメーカーの新商品が売り場に増え、生活が豊かになっていくことを実感できた。

 石油ショックで洗剤やトイレットペーパーを求める人が列を成し、社会問題化した現場もスーパーだった。90年代前半に農産物の輸入自由化が進むと、円高も手伝って安価になった輸入牛肉や果物に消費者が飛びつき、景気に陰りが出れば「特売」や「バーゲン」のサインが増える。

 では米大手証券リーマン・ブラザーズの破綻を契機とした100年に1度といわれる経済ショックから、深刻な不況が続いている現在はどうか。売り場にはやはり、構造的な変化が起きている。小売業が自ら商品の仕様書をつくって、メーカーや工場に生産を発注する、プライベートブランド(PB=自主企画)と呼ばれる商品が、これまでにないペースで増えているのだ。

PBだけで7500億円の売り上げを目指す

 ペットボトルの飲料、カップめん、マヨネーズ、ヨーグルト、菓子、冷凍食品といった代表的なものから、最近ではビール系飲料やしょうゆまであらゆる食品分野に広がる。食品だけではない。ティッシュや洗剤といった日用品から衣料、インテリア用品、医薬品と生活のシーンに登場する、ほとんどすべての商品分野でPBの開発が急ピッチで進む。

 日本最大のPBであるイオンの「トップバリュ」はすでに約5000品目に上り、2010年度にはPBだけで7500億円まで売り上げを伸ばす計画で、準大手の食品メーカーの年商と肩を並べる規模になる。2大小売業の一角を占めるイオンの主力のスーパー「ジャスコ」などで売り上げに占めるPBの比率は10%程度だが、早期に世界最大の小売業、米ウォルマート・ストアーズ並みの2割近くまで高める計画だ。

 ライバルのセブン&アイ・ホールディングスのPB「セブンプレミアム」は2007年春に投入されたばかりで食品中心の品ぞろえにもかかわらず、すでに品目数は800を超えた。09年度は3000億円以上の販売を見込んでいる。傘下のセブンイレブンでは緑と白のパッケージのセブンプレミアムの商品が急速に目立つようになり、見慣れたコンビニエンスストアの売り場にも変化が押し寄せている。

「チェーンストアの仕事はPBを売ること」

 今回の「PBブーム」は不況が深まり家計が苦しくなったことや、原材料価格の高騰などをきっかけに起こったが、1990年代のバブル崩壊後にも「価格破壊」が騒がれ、一時は格安PBが急速に売り場に広がった。この頃、価格競争をリードしたのが当時のスーパー最大手、ダイエーだった。

 創業者の中内氏は日経流通新聞(現在の日経MJ)のインタビューで「チェーンストアの仕事はPBを売ること。(売上高に占めるPB比率は)あるべき数字としては100%です」と語ったことがある。同じような商品ならより安く売るのが小売業の使命といういい方があるにしても、小売業はどうしてこれほどまでに、PBにこだわるのだろうか。

 つくるのはメーカー、小売業は売ることに専念するという役割分担にとどまることはできないようだ。

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著者プロフィール

鈴木 哲也(すずき・てつや)

1993年日本経済新聞社入社。大阪整理部、東京編集局・流通経済部を経て、米州総局(ニューヨーク、2003年〜2007年)。2007年3月から消費産業部記者。

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