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ソニー「自動車電池参入」の謎

  • 鷺森 弘

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2009年12月1日(火)

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ソニーが自動車用のリチウムイオン電池事業に参入すると表明した。この分野は参入障壁が高く、自動車と電機の企業間提携も固まりつつある。勝機が見えにくい中、なぜソニーは再び部品事業に資源を振り向けるのか。

 「事業化を探るということなのか、量産を目指すという意思表明なのか。“本気度”を教えてほしい」

 「もちろん本気で参入するつもりですよ」

 11月19日、ソニー本社で開かれた経営方針説明会。ハワード・ストリンガー会長兼社長の横で、記者の質問に吉岡浩副社長は笑いながら答えた。

 ソニーはこの日、2012年度までに売上高営業利益率5%、自己資本利益率10%を達成するという目標を掲げた。2010年度には赤字続きのテレビ、ゲーム両事業を黒字化すると言明、首脳陣はハードとソフトの融合を進める戦略の説明に長い時間を費やした。

 その一連の説明の中で、趣が異なったテーマが挙がった。

 「自動車用電池ビジネスへの参入検討」ーー。

 説明資料にはわずか1行で記されていた。その真意を測りかねた報道陣から冒頭の質問が出たわけだ。量産を目指すというから、よほど自信があるのだろう。

世界初実用化の自信

 普及拡大が見込まれるハイブリッド車や電気自動車の動力源として欠かせない電池は、一度自動車メーカーと取引関係を構築すると、長期間にわたって安定的な収益を稼ぐことができる。

 ソニーは1991年に世界で初めてリチウムイオン電池を実用化した実績を持つ。これまで主流としてきたパソコンや携帯電話、携帯型ゲーム機向けから、成長分野である自動車用にも用途を広げようとしても不思議ではない。

 しかし、既に自動車大手に電池を納めている電機メーカーは「自動車分野の参入障壁は極めて高い」と口を揃える。民生分野の中では突出して品質基準が厳しく、顧客との仕様のすり合わせに相当な時間がかかる。

 そのうえ、自動車用電池を巡る提携関係は下の図を見ても分かるように、ほぼ出来上がっており、現段階ではソニーが入り込む隙間はあまり残されていない。ソニーは自動車用電池の顧客獲得レースに完全に出遅れている。

画像のクリックで拡大表示

 実は、ソニーもかつて自動車用電池に挑戦したことがある。相手は日産自動車。90年代、電気自動車用の電池技術を求めていた日産の呼びかけに応じたのがソニーだった。実際、実車を作るところまでこぎ着けた。しかし、電池の形状や安全性に関する課題が完全に解決できず、量産化を断念。両社の関係は途絶えた。その後、日産はNECと組むことになり、ソニーの自動車用の研究開発も鳴りを潜めた。

 それだけに、ソニーの「再参入」への意思表明を意外感をもって受け止めた業界関係者は多い。ただ、ソニーに全くチャンスがないかといえばそうではない。

コメント3件コメント/レビュー

ソニーが量産を開始したEV向けに最適なオリビン型リン酸鉄Liイオン二次電池に触れておくべきでは。(2009/12/17)

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ソニーが量産を開始したEV向けに最適なオリビン型リン酸鉄Liイオン二次電池に触れておくべきでは。(2009/12/17)

電動車市場を従来の自動車市場と同じに考えるのは、明白な間違えです。後半で、二次電池を半導体市場に例えているのと同様、電動車市場はPC市場に例えられると考えています。つまり、しばらくは混乱が続きます。表に書かれた限られたメーカだけで考えているのが間違っている。資本力・技術力・ブランド力全てを併せ持つソニーは、参入条件が十分にそろっています。例えば、中国の電動二輪に供給すれば、売り上げは兆単位になります。中国では、電気自動車メーカーも雨後の竹の子の様にわき上がり、ソニーが二次電池を売ってくれるなら喜んで買うでしょう。PCの時、最終的に有名メーカーPCの中身がほとんど中国・台湾メーカー製になっていたのとと同様に、誰が勝つか解りません。特定の自動車メーカと組んで安心しているようなメーカは淘汰されるでしょう。(2009/12/02)

この記事に書いてあることはある意味誰が見ても明白だと思います。いまからそれほど簡単に自動車用電池に参入できるとも思えないし、リストラと赤字を重ねているソニーにそれだけの体力がいまあるとも思えない。問題はソニー経営陣が何を考えているかですよね。これだけの記事で終わらせてしまうことなく、実際に経営陣が何を考えているかなど今後インタビューなどを通じて明らかにしていくところまで踏み込めればよいと思います。続編、期待してます。(2009/12/01)

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