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政策不安と円高で二番底へ

2009年11月30日(月)

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日経平均株価で7000円割れ寸前から戻してきた株価が再び危険水域に入った。企業業績も景気も安値をつけた3月時点より改善している中での下落。経済の牽引役は何か――。市場と政権のズレが円高とともに株安を招いている。

 日本株の停滞が際立ってきた。

 日経平均株価は11月に入って約500円下落。同20日には9497円と、10月5日につけた9674円も割り込んで二番底懸念が急速に広がってきた。

 だが、企業業績を見れば、東京証券取引所第1部上場企業の2009年7~9月期の売上高(11月5日発表分まで=668社、金融除く、UBS証券まとめ)は前の4~6月期に比べ10.8%増、経常利益は2.3倍に急回復した。景気の動きを見ても、鉱工業生産指数は急反発し、同じ時期のGDP(国内総生産)は実質で年率4.8%成長と高い伸びを示した。

 数字で見る限り、経済は立ち直りの様子をはっきりさせているにもかかわらず、株価は下げを早める。しかも、同様に景気底打ち観測が伝えられる欧米や、早々に回復し始めた新興国の株価と比べれば独り置いていかれた格好になっているのだ。

 足元の景気・業績の回復感と株価独歩安という相反する動き。その間にあるものは何かーー。浮かぶのは景気と業績の先行きへの深い懸念だ。

「輸出産業を伸ばす気がない」

 「日本はなぜ輸出企業を成長させようとしないのか」

 バークレイズ・キャピタル証券の株式ストラテジスト、高橋文行氏は11月半ばまで約2週間、米国などの機関投資家を訪問した際、何度かこう指摘されたという。

 日本株売買高の50~60%を占め、事実上その値動きを決めている外国人投資家の間に今、広がっている懸念は、日本には成長の牽引役が見えなくなっているという不安に根差している。

 「2002年から2007年前半までの日本の経済成長を牽引したのは結局、輸出産業。中国など外需の回復で企業業績が戻している今回も、それは同じ。だが、今起きているのはその輸出産業の業績回復を妨げる要因ばかりだ」

 高橋氏と米国人投資家たちの議論は、何度もここに行き着いたという。最大の不安の源泉は新政権の政策に対する不透明感にある。

 亀井静香・金融担当相が主導した中小企業の借入金に対する3年間の支払い猶予構想に加え、「前政権が決めた公共事業のような景気対策を3兆円削減しながら、後で(エコポイント継続など他事業で)ほぼ同額の補正予算を組もうとするなど、政策が『迷走』していると受け取られた」(野間口毅・大和総研シニアストラテジスト)こともある。

 しかし、ここにきて、景気の牽引役は結局、輸出産業なのに民主党政権にはそれを伸ばす考えがない、との見方が市場に広がり始めたという。

コメント6件コメント/レビュー

円高が急速に進んでいる。経常収支が常に黒字の日本の円が高くなるのは、自然な流れである。90円くらいが長期的トレンド上の今日の数値であり、つまり今のところそれほど極端な円高にはなっていない。むしろ米ドルとほぼ同一歩調で下落している中国の人民元の動きこそが異常である。経常収支の黒字を別にし、今回の円高の要因はいくつか考えられる。これらを分析することが、今後の円相場の動向を占う上で重要である。円高と言っているが、ドバイの信用不安が表面化する前までは米ドルの独歩安であった。この大きな原因は米国の金融緩和が事前の予想より長期化することがはっきりしたことである。またこれに関連し、低金利の米ドルを調達し、これを米国外に投資する動きが活発になった。いわゆる米ドルキャリー取引であり、これが米ドル安を演出してきた。数年前、機関投資家が低金利の円を調達し海外に投資していた円キャリー取引と同じ構図である。さらにFOMCの議事録でFRBが米ドル安を容認していることが広く知られたことである。米政府高官は口では「強いドルは米国にとって利益である」と事ある毎に発言しているが、本音は違うのである。直近でドバイの信用不安が起り、強かったユーロも安くなり、とうとう円の独歩高になった。これはEUの金融機関がドバイにかなり貸付けを行っているためである。一方、日本の大手銀行のドバイの融資残高の総額は1,000億円程度と大きくはない。つまり消去法で円が買われている。ドバイの件が落着いても円高・米ドル安の要因は変わらない。最悪の場合、米ドルキャリー取引の巻き戻しが起るまで円高が進む可能性がある。またドバイの信用不安のような出来事がまた起れば、投機資金が動き為替相場がオーバシュートする可能性がある。ところが藤井財務大臣は為替介入に消極的ということが知られている。したがって円は投機筋のえじきになる可能性が強い。もっとも事業仕分などの緊縮財政指向なことを一方でやっており、さらに貿易収支が黒字に転換していながら、為替介入を行うなんて国際的な協調が得られるとは思われない。(2009/11/30)

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「政策不安と円高で二番底へ」の著者

田村 賢司

田村 賢司(たむら・けんじ)

日経ビジネス主任編集委員

日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日経ネットトレーディングなどの編集部を経て2002年から日経ビジネス編集委員。税・財政、年金、企業財務、企業会計、マクロ経済などが専門分野。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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円高が急速に進んでいる。経常収支が常に黒字の日本の円が高くなるのは、自然な流れである。90円くらいが長期的トレンド上の今日の数値であり、つまり今のところそれほど極端な円高にはなっていない。むしろ米ドルとほぼ同一歩調で下落している中国の人民元の動きこそが異常である。経常収支の黒字を別にし、今回の円高の要因はいくつか考えられる。これらを分析することが、今後の円相場の動向を占う上で重要である。円高と言っているが、ドバイの信用不安が表面化する前までは米ドルの独歩安であった。この大きな原因は米国の金融緩和が事前の予想より長期化することがはっきりしたことである。またこれに関連し、低金利の米ドルを調達し、これを米国外に投資する動きが活発になった。いわゆる米ドルキャリー取引であり、これが米ドル安を演出してきた。数年前、機関投資家が低金利の円を調達し海外に投資していた円キャリー取引と同じ構図である。さらにFOMCの議事録でFRBが米ドル安を容認していることが広く知られたことである。米政府高官は口では「強いドルは米国にとって利益である」と事ある毎に発言しているが、本音は違うのである。直近でドバイの信用不安が起り、強かったユーロも安くなり、とうとう円の独歩高になった。これはEUの金融機関がドバイにかなり貸付けを行っているためである。一方、日本の大手銀行のドバイの融資残高の総額は1,000億円程度と大きくはない。つまり消去法で円が買われている。ドバイの件が落着いても円高・米ドル安の要因は変わらない。最悪の場合、米ドルキャリー取引の巻き戻しが起るまで円高が進む可能性がある。またドバイの信用不安のような出来事がまた起れば、投機資金が動き為替相場がオーバシュートする可能性がある。ところが藤井財務大臣は為替介入に消極的ということが知られている。したがって円は投機筋のえじきになる可能性が強い。もっとも事業仕分などの緊縮財政指向なことを一方でやっており、さらに貿易収支が黒字に転換していながら、為替介入を行うなんて国際的な協調が得られるとは思われない。(2009/11/30)

資源小国の日本。輸出で金を稼がねば生きて行けないのは自明。だが、従来型の製造業輸出はもはや伸ばすことはおろか回復することすら無理なのも自明。製造コストで勝てない製造業、というのはそれ自体矛盾している。人件費の高い日本、通貨高の日本で、製造業で生き残るとしたら、全自動生産(直接加工人件費ゼロ)しか無いだろう。逆にそうなった製造業は雇用の受け口にはならない。産業構造を変えるしか生き残る道は無い。製造業は外へ出るしかない。そして国内に残った労働者を食わせる新規産業を興すしか道は残っていない。現在の輸出産業(製造業)に国費をつぎ込んで延命したところで、先は無い。(愚痩子)(2009/11/30)

225の予想PERは31.05倍、利回りに直すと3.2%となります。日本の10年国債とのリスクプレミアムが2%前後、となると、今の日本企業の収益環境から見て、今の株価水準はこれでも高値圏なのではないか、と見ています。株価維持となると、日銀なり公的資金が買い支えするしかないのでは?7-8月の相場は、完全に民主党政権を織り込んでの相場だっただけに、民主党政権に失望云々というのは株屋の責任転嫁、という気もなきにしもあらず…(2009/11/30)

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