廃棄物からバイオエタノールを生成する技術の開発競争が激化している。ベンチャー会社の日本環境設計は、古着からエタノールを作り出す技術を開発した。竹中工務店は、ジャガイモのでんぷん工場から出る廃液などの再利用に取り組む。
次世代エネルギーとして注目されるバイオエタノール。ブラジルや米国などでは既に、代替エネルギーとして大量生産に乗り出している。日本も農林水産省が2030年までに年間600万リットルの国内生産を目標に掲げ、世界の開発競争に参入する意欲を見せる。
バイオエタノールは、ガソリンに比べてCO2(二酸化炭素)の排出量が少ない点から地球環境に優しいと言われる。一方で、現在生産されているバイオエタノールのほとんどは、トウモロコシやサトウキビなどの農作物を原料にしていることから、様々な懸念材料も指摘されている。例えば、生産に大量の水を消費するため水不足を誘発したり、原料となる農産物の価格高騰や食糧不足を助長するといった点だ。
そこで農産物による生産以外の方法でバイオエタノールの生産が注目されている。例えば、木の廃材や農作物の残りかすなどの廃棄物を原料にする方法である。日本のベンチャー企業が注目したのは、タンスに眠る古着だ。
1トンの古着で700リットル生成
着なくなってしまった衣服を、タンスの中にしまったままにしている人も多いはずだ。環境技術コンサルタントのベンチャーである日本環境設計(東京都渋谷区)は、このタンスに眠る不要な衣服からバイオエタノールを生み出す技術を開発した。衣服の素材は綿や絹などの天然素材のほか、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維がある。日本環境設計がバイオエタノールの原料にするのは、綿製品の衣服だ。
古着からエタノールを生成する工程は大きく分けて4つになる。まず、回収した綿製の古着を細かく裁断するなどの前処理を施し、水の入ったタンクに入れる。
次に、タンクに「セルローゼ」と呼ばれる3種類の酵素を注ぐ。綿の主成分であるセルロースの分子構造は、グルコース(ブドウ糖)の分子が鎖のように結合した状態になっている。セルローゼは、この分子結合を切り離してグルコースにする特性を持つ。タンクの内部の温度を50度前後に保つと、セルローゼの働きが活性化する。3日ほど置くと、セルロースの80〜90%近くが分解してグルコースに変化する。
そしてグルコースに、最後に、発酵用の酵素を加え、3〜4時間ほど置くとエタノールに変化する。このエタノールには、水が大量に含まれている。大量の水分を取り除く方法としては、エタノールと水の沸点の違いを利用して、蒸留装置でエタノールの純度を高める。
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