クボタやヤンマーなど日本の農機メーカーがアジアで躍進。背景には食糧価格の上昇や新興国の購買力向上などがある。一方、国内の農業構造の変化への対応は大きな課題だ。
深刻な販売不振が続く機械業界。その中で例外的に活況を呈しているのが、トラクターやコンバイン(脱穀機)、田植え機など農業機械のアジア地域での販売だ。農機メーカーの業績は日本と欧米の需要減や円高の影響こそ少なくないが、成長市場のアジアでは事実上の独走状態で業績を伸ばしている。

農機最大手であるクボタの2009年9月中間決算は、連結売上高が前年同期比22.3%減の4446億3400万円。営業利益はほぼ半減とはいえ331億3200万円で、通期業績を上方修正した。
このうち、農機販売が好調だったアジアの売上高は同13%増の738億円。競合する井関農機やヤンマーも、アジアでの販売が好調だった。その好調ぶりは、相次ぐアジアでの増産対応にも見て取れる。
例えば、クボタは今年3月、タイの新工場でトラクターの量産を開始。2010年には生産能力を2倍の年産5万台に増やし、ベトナムやインドなどにも輸出する考えだ。2010年3月にはコンバインの現地生産も始める。
「タイでは引き続きコンバインの需要が期待できる。さらに中国でもトラクターを中心に売り上げを伸ばす」。クボタの木村茂・執行役員財務部長は、こう意気込む。
需要急増の背景には、アジアの新興国における農業の機械化ブームがある。新興国では世界的な食糧価格の上昇と経済成長で農家の所得が増え、積極的に農機の導入を進めているのだ。
バイオ燃料が引き金
新エネルギー熱の高まりも関係している。穀物を原料とするバイオ燃料が石油の代替エネルギーとして注目され、食糧価格の高騰を招いたとされる。この結果、食糧価格と供給の安定を図る狙いで、各国政府が農家向けの補助金を増やし、機械化を進めて生産量を拡大する。例えば中国では、2009年の政府の補助金が130億元(約1641億円)に達する見通しだ。タイも米価補償などの支援策を打ち出した。
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