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最高益更新も、賞与見送りの振興銀

「2020年、メガバンクに追いつこう」と意気盛んだが・・・

  • 高橋 篤史

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2009年12月8日(火)

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 経営コンサルタントの木村剛氏が取締役会長兼代表執行役を務める日本振興銀行が職員に対する冬賞与の支給を見送ることが明らかになった。同行の預金残高は急増を続けており、これまで発表されている四半期決算では過去最高益を更新中。親密企業群の「中小企業振興ネットワーク」も膨張を続けている。にもかかわらず、「ボーナス・ペンディング」は夏に続いての措置だ。

 関係者によると、冬賞与の支給見送りは11月初旬には早々と職員に通達されていた模様。そのわずか前の10月27日に発表されていた第2四半期決算では、4~9月の累計で経常利益が前年同期に比べ8倍近いの43億円となり、過去最高を軽く更新していた。高金利定期の募集により、預金残高も5000億円を突破、預金者は10万人の大台に迫る勢いだ。

 最高益を記念して「お客さま大感謝ローン」と銘打ったキャンペーンを展開し、最近はテレビコマーシャルも盛んに打つなど、絶好調ぶりをアピールする同行が、なぜ職員にそこまで我慢を強いるのか。それには知られざる内情が横たわっている。

目立つ親密企業への大口融資

 夏賞与の見送り時、木村氏が職員に対してその理由を説明する際に挙げたのは、貸出先におけるデフォルト(債務不履行)発生の増加だったという。7月は中旬までに約2億円のデフォルトが発生、木村氏は「過去最悪の月を上回るペース」とこれまでになく危機感を訴えたという。依然、デフォルト抑制ができていないことが、今回の冬賞与見送りという厳しい“ムチ”につながったようだ。

 もともと昨年においても日本振興銀行の職員に対する賞与は“金一封”程度の金額だったとされる。職員のモチベーションが保たれるのか心配になるが、一方で今回は“アメ”が用意された。経常利益50億円を達成した暁には、そのうちの1割を「賞与ファンド」とし、職員に還元するというのである。ただし、対象となるのは「拠点長」など一定以上の幹部職だけで、ファンドの5億円という数字は「250人×200万円」との前提で積み上げた金額のようだ。

 最高益更新をアピールする対外発表と、賞与見送りという内情を見比べると、チグハグな印象が否めないが、融資面でも同様のことが言える。日本振興銀行は「ミドルリスク・ミドルリターン」を掲げ、中小零細企業融資の専門銀行として設立された。しかし、このところの同行では親密企業への突出した大口融資が目立つ。

 その代表例は貸金会社「ネオラインキャピタル」系企業への融資だ。同社はライブドアグループ出身の藤澤信義氏が実質トップを務める会社。藤澤氏は関連ファンドを通じて老舗アパレルメーカー、レナウンの大株主ともなっており、今年春には木村氏を含む取締役選任案を株主提案したことで注目を集めた。

 日本振興銀行は昨年来、中小企業振興ネットワークを形成して親密企業のグループ化を図っているが、ネオラインキャピタルもそこに参加している。現在、同ネットワークは「中小企業管理機構」など機能別企業と「中小企業建設機構」など業種別企業を中核に、インデックス・ホールディングスなど一般会員企業で構成され、上場企業10数社を含めその総数は100社を優に超える。

 公表ベースでのネオラインキャピタル系企業に対する最初の大口融資は今年8月のこと。大証2部上場の商工ローン会社Jトラスト(旧イッコー)に対して94億円もの融資を実行している。一般顧客には数百万円台を中心に最高でも2500万円のローン商品しか提供していない同行にとっては思い切った金額だ。しかも返済期間が10年の長期に渡るという破格の条件だった。

 Jトラストは藤澤氏が昨年3月に個人筆頭株主となって以来、同業者を買収するなど拡大策を採っている。ただ、今年2月に実施した阪急電鉄系の旧ステーションファイナンスに対する買収をめぐっては多額の未払金が残っており、8月末までに資金を用立てる必要があった。日本振興銀行がそれを全面バックアップしたわけである。

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