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経済無策、早くもつまずき

  • 田村 賢司,加藤 修平,鈴木雅映子

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2009年12月14日(月)

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政権交代から3カ月。鳩山政権の支持率はなお高いが、つまずきが目立ち始めた。追加経済対策は前政権からの「引き継ぎ」。底割れを回避するには力不足が否めない。「陥落3カ月」の自民党も再生の動きは鈍い。民主党の経済政策は早くも正念場を迎えた。

 12月も中旬。昨年までの自公政権なら、翌年度の予算編成は大詰め。売り物の政策には「政治決着」の余地が残されるものの、予算案の仕上がりはおおむね見えていた時期だ。

年内予算編成「確信できず」

 だが今年は違う。「予算編成の作業が多少遅れても、議論が収束しつつあるならそれでもいい。今は収束させようという雰囲気すら感じられない」。ある省庁の幹部は年内に予算を編成できるかどうか確信が持てないでいる。

 「民主党の経済政策が見えない」。8月の衆院選前から繰り返し指摘されてきたこの問題が、いよいよ現実のものになってきた。

 「あれも無駄だと言われるのか…」。政府の行政刷新会議が11月に実施した事業仕分け。民主党の政策に沿わず、明らかに無駄な予算が削られるのはまだ分かるが、中には政策目的が民主党の主張に沿っていても「予算計上見送り」と判断された政策があった。その1つが、経済産業省の「低炭素社会実現プロジェクト」。「スマートグリッド(次世代送電網)」と呼ばれ、電力消費と送電量の調整という未来の環境技術として有望なテーマを対象とした技術開発の予算だ。

 いわゆる「仕分け人」の指摘は「もう少し企画を詰めてから始めても遅くはない」。これについて経産省は「確かにもう少し、具体的なプロジェクトとして提案する必要はあった」と認める。だが、そもそも民主党はマニフェスト(政権公約)で、スマートグリッドについて「技術開発・普及を促進する」と明記している。米国も環境ビジネスを育てるグリーンニューディールを打ち出すなど環境分野での競争は激しい。マニフェストの実現を目指すならば、政務3役を中心により具体的な案を考えるのが筋だろう。

 民主党の経済政策と一致するかに見えても、冷たくあしらわれた政策はほかにもある。例えば同じ経産省が中小製造業の新製品開発を後押しするとした「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金」。民主党が政策集で「中小企業の研究開発予算を5倍にする」とした方針に沿うかと見えたが、事業仕分けでは「典型的なバラマキだ」と責められて予算計上見送り。では、どのようにして中小企業の研究開発を後押しするかという具体策は、予算編成の土壇場になってもまだ見えていない。

 本来、予算を伴う経済政策は政権の方針に基づいて優先順位などを判断されるはずだ。その指針となるべき方針がないと批判された民主党は菅直人副総理・国家戦略相が11月初めに経済成長戦略を立案すると表明した。しかしここにきて「成長戦略は経産省が事実上の取りまとめ省庁になったようだ」(総務省幹部)。仕分けとマニフェストの間で混乱する省庁が、民主党の成長戦略を担うという。

 民主党はマニフェストをかざして歴史的な政権交代を勝ち取った。当然、公約の中身は尊重されるべきだろう。しかし政権発足から3カ月はむしろ公約実現の財源を探すことに気を取られ、景気を後押しし、経済成長力を高める対策は遅れがちだ。

景気押し上げの政策乏しく

 右の図は政権交代が実現した後の予算編成の流れだ。自民党の麻生太郎政権による2009年度第1次補正予算の見直しや事業仕分けなど、予算を削る作業が目立ってきたが、実は景気を押し上げる効果のある政策は、ほとんど実現も、決定もしていない。執行停止にした予算を財源に使い、2009年度第2次補正予算案に盛り込む緊急経済対策ですら、民主党が目指した12月4日の閣議決定は連立与党の足並みが乱れ、12月8日に延期された。

 この補正予算案は事実上、初の民主党予算となるが、中身に目新しさはない。期限を延長する家電の「エコポイント」制度は前政権のアイデア。2年目も同じ規模で実施するとすれば、経済を押し上げる効果はない。経済を下押しするマイナス効果が起きないだけの話だ。中小企業の資金繰り支援も、前政権が実現した総額30兆円の緊急保証枠のうち、11月末までの承諾実績は約15兆7000億円。まだ半分近く余っているうえに、中小企業の債務返済を猶予しやすくする「中小企業金融円滑化法」が12月4日に施行されたばかり。これ以上資金繰り対策を積み増しても、経済を後押しする効果はほとんど期待できそうにない。

 さらに経済政策の観点で民主党への不信感を招いているのが、税制改正論議の迷走ぶりだ。

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