「ニュースを斬る」

スズキ、VWと世界一連合へ

新興国、環境を軸に、加速する業界再編

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2009年12月11日(金)

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 「日経ビジネス」12月」14日号で「三菱自・プジョーの次はスズキ?」という記事を掲載しています。この記事の締め切り後に、スズキと独フォルクスワーゲンの包括提携の基本契約が成立しました。


 「うちの強みと弱みをちょうど補完できる」――。12月9日、独フォルクスワーゲン(VW)との包括提携に向けた基本契約成立の記者会見に臨んだ、スズキの鈴木修会長兼社長は今回の提携についてこう強調した。

 スズキは1981年から2006年まで米ゼネラル・モーターズ(GM)と提携を結び、4輪車合弁事業などに取り組んできた。当時、鈴木会長は「GMはくじら、スズキは蚊」と両社の関係を例えてきた。しかし、経営不振に陥ったGMがスズキ株を売却。スズキと親しいGMのトップが交代したこともあり、今年12月4日には合弁を解消して事業の連携も解消していた。

基本契約に調印するスズキの鈴木修会長兼社長(右)とVWのヴィンダーコーン社長
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 一方、今回のVWとの提携では、「スズキはVWのパートナー」と鈴木会長はあくまでも対等の関係をアピールした。そこには、「インドでシェア50%以上を握るという実績、軽自動車などを低コストで作るノウハウなどなど我々にはないものがある」(VW幹部)という点が、スズキ側の自信にもつながっている。

マルチ・スズキ・インディアが販売する「マルチ800」。車両価格は日本円で約36万円から
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 一方、スズキの出遅れている中国やブラジルではVWは最大手。さらに、内燃機関の低燃費化技術、ハイブリッド車、電気自動車などの環境技術などでもVWとの協業が期待できる。これまで、将来の生き残りを左右する環境車では、「うちは遅れている」という危機感が鈴木会長にはあったものの、今回の提携により「後ろ盾を確保した」(鈴木会長)ことになる。

 VWは19.9%のスズキ株(スズキの金庫株)を約2000億円で買い取り、そこで得た資金の半分を使ってスズキはVWの株式を買収する。両社は開発、購買、生産、販売など様々な面でのシナジー効果を探っていくという。

 今年1〜10月のVWの世界生産台数は532万台。同期間のスズキは194万台。両社合計では726万台。トヨタ自動車の同572万台を大きく上回る。「2018年までにトヨタ自動車を抜いて世界1になる。そのためにスズキの協力は欠かせない」というヴィンダーコーン社長の目標は、早くも達成されることになりそうだ。

台所が苦しいプジョー、三菱自との提携交渉の行方は

2009年9月に電気自動車の供給契約を結んだ三菱自動車の益子修社長(左)とPSAのフィリップ・バラン会長

 これに先立つ12月3日に、浮上したのは、三菱自動車と仏プジョーシトロエングループ(PSA)の資本提携の動きだった。これに対しては、業界では意外感を抱く関係者は少なかった。以前から三菱自はPSAにSUV(多目的スポーツ車)を供給。電気自動車を供給する契約も締結し、ロシアで工場の共同建設も進めていたからだ。

 しかし自然な流れに見える資本提携の実現には、3つの課題がある。

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著者プロフィール

伊藤 暢人(いとう・ながと)

日経ビジネス副編集長。

細田 孝宏(ほそだ・たかひろ)

日経BP社入社後、経済誌「日経ビジネス」を振り出しに、建築誌「日経アーキテクチュア」、日本経済新聞証券部(株式相場担当)で記者活動に従事。「日経ビジネス」では主に自動車、流通、商社などの各業界を担当し、現在、米国特派員として、ニューヨークに駐在している。



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