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課題先進国日本、解決の道は自治意識から

【第12回】総務省 中井幹晴氏《後編》

  • 佐藤 ゆみ

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2009年12月21日(月)

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 総務省の中井幹晴氏に、前々回は官庁の違い、前回は地方や国政に伴う無駄について語ってもらった。

 今回は、道州制に対する認識、市町村合併に関わった経験などを踏まえ、経済格差が問題視されている地方における自治のあり方を考えていく。

佐藤 ゆみ(以下、佐藤) 現政権はどのような国家にしたいのか、はっきり見えてきません。中井さんご自身はどのような国家像が理想ですか? 個人としてのご意見を教えてください。

中井 幹晴(なかい・みきはる)氏
大阪府出身。東京大学法学部卒業後、1992年、自治省(現・総務省)入省。総務省では、地方税制の改正、地方行革の推進等を担当し、自治体出向時には、京都府地方課長として府内の市町村合併を支援、また、徳島県吉野川市助役として合併によってできた新市の立ち上げ時期の市政に携わるなど、地方自治に関する仕事を中心に取り組む一方、OECD(経済協力開発機構)、大蔵省(現・財務省)、防衛省へ出向し、金融、外交・安全保障といった幅広い政策分野に関わってきた。
(写真:佐藤ゆみ)

中井 幹晴(以下、中井) 理想の国家像ですか。この場で明確にお答えするのは難しいご質問ですね。よく、大きな政府か、小さな政府か、といった議論がありますが、いずれにしても、結局、国民が、どういう生き方を望み、その中で、どういう政府を望むか、それが政治に反映される仕組みが確保されているか、そして、それ故に、国民が政治の志向性に責任を持つ感覚が持てるか、ということが問題なのだろうと思います。

佐藤 最初に国の中央で国家像を作るのではなく、国民1人ひとりの幸せとは何か、というところから地方行政、国政を考えるということですね。志向性というと、よくデンマークのような環境・福祉社会が取り上げられています。ですが、デンマークも労働政策など、成長戦略を提示してから幸福度が増したそうです。

 現在の日本はまだ、どのような国家を目指しているのかも、経済的な成長戦略もあいまいです。行政刷新で無駄を削るのはよいとしても、それをバラマキするのでは前政権と何が違うのでしょう? 何か成長戦略に基づいた財政支出をすべきでは?

中井 おっしゃる通りです。「コンクリートから人へ」と言ってますから、財政資金を公共事業から社会保障や教育へシフトするのでしょうが、成長につながる投資がなければ持続しません。

佐藤 長期的、中期的、短期的に見た国家戦略とそれに伴った長期的な財政再建計画を早く講じてほしいものです。それがないからOECD(経済開発協力機構)に警告されるわ、株や景気に影響が出ているように見えます。

中井 難しいことですが、今後、日本と世界が生きていくために必要な環境、エネルギー、食糧、医療といった分野を伸ばしていくために、あり余った金融資産が回っていくような循環を作り出すことが必要でしょうね。

税制改革と規制刷新も必要では?

佐藤 国と地方の借金800兆円というのは天文学的数字です。今回の予算編成で赤字国債は44兆円。参議院選挙前なので予算編成は税制にもまともな答えが出ていません。暫定税率もはっきりしませんし、困った時のタバコ増税くらいでしょうか。税制の10年先を見た改革も必要で、法人税や消費税、最近引っ込められた環境税などの議論が早く必要ではと思いますが、いかがでしょう?

中井 抜本的な税制改革は、内閣を吹っ飛ばす覚悟が必要、とは昔から言われてきました。すごい勢いで進む少子高齢化、逼迫した財政状況の一方で、主要先進国の中では実は極めて低い国民負担率、中国やインドなどの躍進で激化する国際競争といった状況を冷静に見ると、採るべき方向ははっきりしているはずだとは思いますが、タイミングが問題です。

佐藤 このままマニフェスト(政権公約)に添ってバラマキ政策に赤字国債を増発していけば、間違いなく増税になるでしょう。小沢(一郎・民主党幹事長)さんは過去に「消費税を10%くらいにするべき」と著書で言っていましたし。景気がこれだけ落ち込んでいるのですから、お金のかからないように経済の活性化を考えることも必要かと思います。行政刷新のように、規制の刷新も必要では? 地方行政の関係で言えば、幼稚園と保育園の規制刷新もありえるのでは?

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