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英・仏、高額報酬課税へ

2009年12月24日(木)

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欧米で金融機関が支払う行員への高額報酬を規制する動きが強まっている。英国が50%相当の特別税を銀行に課す方針を表明、フランスも追随する。米国でもゴールドマン・サックスが世論の激しい批判を浴び、妥協を余儀なくされた。

 金融危機以降、金融機関を短期的な利益追求に走らせた根源とされてきた「高額報酬」を巡る規制問題がヤマ場を迎えている。9月の20カ国・地域(G20)首脳会議で、金融機関への規制強化で合意したのを受け、英、仏、米の政府が相次いで具体策を発表。高額報酬を巡る議論が熱を帯びている。

英、巨額賞与に特別課税

 始まりは12月9日。英国のアリステア・ダーリング財務相が、銀行員に2万5000ポンド(約360万円)を超える高額賞与を払う場合は、超過分の50%相当を銀行から税として徴収すると発表したのだ。「銀行が金融危機後も巨額の利益を計上できるのは政府による救済策のおかげ。今こそ資本増強と貸し出しに力を入れるべきで、高額報酬を続けるなら、納税者のためにそのお金は取り戻す」。ダーリング財務相は税金導入の狙いをこう説明した。

 英経済紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は同日のオンラインのトップ記事として「英政府の賞与特別税に激怒する銀行家たち」を掲載。発表直後から米ウォール街の職場に異動したいという行員からの電話が殺到している銀行の話を紹介。また、「世界の金融界の中心としてのロンドンや英国の地位を念頭に規制や税制を考えるべき」「金融業の4割が米国など海外に流出する」といった金融街シティーの銀行マンの怒りや批判の声を伝えた。

 英政府は最重要産業である金融業が海外に流出しないよう、課税は来年4月までの時限措置としている。だが、オンラインの動画解説では、「課税が来年以降も継続されるのではないかとの懸念も広がっている」としている。

 大西洋を挟んだ米国では同日、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏が、ニューヨーク・タイムス紙のオンラインに「ダーリング、I love you」と題したブログを掲載。英政府の英断を全面的に支持した。

 「(今回の課税で)最も優秀な人材が金融界からほかの職業に去ってしまうのがまずいって? いいことじゃないか。1980年以降の金融界の成長は生産性向上ではなく貸出先開拓で実現したというのが実態。ポール・ボルカー氏*1が言うようにATM以外、金融界に革新はほぼなかった。(中略)納税者により業界が救済されたのだから、今回の課税は極めて真っ当に思える」

 同氏の主張には賛否両論の書き込みが殺到、高額報酬問題解決が一筋縄ではいかない難しさを感じさせた。

*1=元米連邦準備理事会(FRB)議長

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「英・仏、高額報酬課税へ」の著者

石黒 千賀子

石黒 千賀子(いしぐろ・ちかこ)

日経ビジネス編集委員

日経BPに入社後、英LSEに留学し修士取得。日経ビジネス、日経ナショナルジオグラフィック、日経ベンチャーを経て、2003年日経ビジネスに編集委員として戻る。主に、本誌の「世界鳥瞰」の欄を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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