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河野太郎の憂鬱 ― 自爆民主と変われぬ自民

鳩山スキャンダルで昔の自民党に戻るのは最悪のシナリオ

2009年12月21日(月)

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 辺野古か嘉手納か、7兆円か8兆円か…。普天間問題や第2次補正予算で大揺れの鳩山政権に世間の耳目が集っていた12月9日朝のこと。

 寒風になびく永田町の枯れ葉を横目に、自民党本部へと向かう。1階ロビーには、たばこを燻らせている初老の男性以外、人影は見当たらない。地方からの陳情団や霞が関からの官僚が列を成して受け付けを待つ例年の光景は、もうそこにない。

 下野から3カ月。活気を失い、広さを持て余した党本部5階の会議室で、その男は持ち前のよく通る声を張り上げていた。先の自民党総裁選で惜敗を喫した、河野太郎である。

 「県に奨学金の申請をしたら、凍結されてますって言われたという人がいたんだけれども、それはどういうことなの?」

文部科学省の役人20人以上を相手に、自民党版の事業仕分けのヒアリングに臨む
(写真:陶山 勉、以下同、「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」の写真を除く)
画像のクリックで拡大表示

 平将明、山本一太、世耕弘成など、総裁選をともに戦った盟友が脇を固めている。対峙するのは文部科学省の役人、総勢20人以上。その中央で河野は、“自民党版事業仕分けチーム”の座長として、来年度予算の、ある項目に切り込んでいた。

 民主党のそれとは違い、野に下った今となっては、ほとんど注目されない、もう1つの事業仕分け…。

 河野太郎は今、猛烈に憂鬱である。

「元祖必殺仕分け人は俺だよ」

 新しい内閣の目玉として国民に好印象を与えた民主党の事業仕分け。マスメディアは、役人相手に容赦なく突っ込み、徹底してムダを洗い出す民主党議員の蓮舫らを「必殺仕分け人」などと持ち上げ、連日、その様子を伝え続けた。

 だが河野には、「元祖は俺だよ」という自負がある。

 「自民党の中で、何でうちもああいうことをやらないんだと言ったバカな参議院議員がいたけど、何を言っているんだと。あれは俺らが始めたんじゃないかと。自民党ってその程度の認識なんですよ」

 2008年6月、当時の首相、福田康夫の号令で自民党の政務調査会に「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム(PT)」が設置された。ここで、河野は2008年夏から秋にかけて、国政史上初となる事業仕分けに着手した。

2008年8月、河野太郎氏が着手した当時の事業仕分け風景(撮影:谷口 徹也)
画像のクリックで拡大表示

 今年の総選挙前もやった。前首相の麻生太郎が熱く重要性を説いた「国立メディア芸術総合センター」、通称、「国立マンガ喫茶」に、河野は「見積もりがいい加減すぎる」として不要の烙印を押した。

 やっていたことは、民主党のそれと同じ。なのに河野は、党内で評価されるどころか、党が決めたことに盾突く反乱分子として扱われ、孤立していった。

「自民党が作った予算の粗を探してどうするんだ」

 河野のチームが担当したのは「文教・科学技術等」という分野のみ。文部科学省、環境省、財務省、外務省といった予算権限の少ない省庁の事業だけで、公共事業など莫大な予算を握るほかの省庁は「やらせてもらえなかった」。

 「自民党が作った予算の粗を探してどうするんだ」「霞が関の重箱の隅をつつくようなマネは与党議員がやることじゃない」「そんなことは野党にやらせておけ」――。

 河野のチームで仕分け作業を手伝った、ある自民党議員は、当時、党内の重鎮たちから、何度もこう叱責されたという。無駄遣いを検証しろとは言ったが、自公政権が認めた予算にケチをつけるなという、矛盾した論理。

 今年6月、国立マンガ喫茶に噛みついた時も、四面楚歌だった。

 無駄遣い撲滅PTが設置された政務調査会の会長を務める保利耕輔を訪ね、補正予算の一部執行停止を求めると、「一任しろ」と事実上の拒否。官房長官の河村建夫は「PTのメンバーも補正予算に賛成した」と取り合わず、PTの座長を務める園田博之自ら、「予算の執行停止は民主党を利するだけ」と不快感を示す始末。

 結局、河野らのチームが何十時間もかけて洗った無駄の凍結部分は、政調会の部会で霞が関とつるんだ族議員に握りつぶされ、組織の論理というコンベアに乗って流れていくだけだった。

 それが、選挙に敗れ、野党になった途端、河野はPTの座長に昇格、全省庁の事業仕分けに許可が出た。河野は言う。

コメント45件コメント/レビュー

>しかし、もっと憂鬱なことに自民党は何も変わっていない。変わろうとしていない。>今度はそういう普遍的な価値の中で、何をやるのかを言わなければいけない。政権構想会議で議論をしたかったのだけれど、その危機感が共有されてなかった「小さな政府で経済成長を重視する党」やはり河野太郎他やる気の有るまともな37人の政治家は自民党を出て新党を作るかみんなの党に合流するしか日本を良くする道はないだろう。そして外国人参政権には反対するよう期待する。(2009/12/27)

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「河野太郎の憂鬱 ― 自爆民主と変われぬ自民」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

>しかし、もっと憂鬱なことに自民党は何も変わっていない。変わろうとしていない。>今度はそういう普遍的な価値の中で、何をやるのかを言わなければいけない。政権構想会議で議論をしたかったのだけれど、その危機感が共有されてなかった「小さな政府で経済成長を重視する党」やはり河野太郎他やる気の有るまともな37人の政治家は自民党を出て新党を作るかみんなの党に合流するしか日本を良くする道はないだろう。そして外国人参政権には反対するよう期待する。(2009/12/27)

河野さんは頭のいい人だし、エネルギーも持っている人だから、基本的な哲学さえ間違えなければ良い政治家になれると思います。今はせっかくの善意が「小さい政府」とか市場原理主義的なもはや間違っている事が歴史的に証明された哲学に従属してしまっている。自民党再生の傍らで、良い師を3年かけてでも探して欲しい。日経さんも市場原理主義はそろそろあきらめた方がいいですよ。(笑)(2009/12/25)

台湾が中国に呑みこまれようとしている事態である。日本もこのままでは時間の問題である。その基礎を作った政治家の罪は重いが、その政治家を選んだ日本人の平和ボケには日本の反日左翼が洗脳した結果である。中国併合を推進する台湾の馬政権を選んだ台湾は、中国工作員が多く入り込み、中国でビジネスをする台湾人が欲に目がくらんだ。河野談話や国籍法改正(外国人にとっての改正)、外国人参政権を推進している河野父子が、日本を中国韓国に売り渡そうとしているのは 小沢民主と同罪である。日経がなぜ、中国市場を企業に勧め、河野太郎を持ち上げるのか?? 頭を冷やしてもらいたい。自民がどうの、民主がどうのと言っている状態ではないことの注意を喚起したい。安全も水も もはや無料ではなくなっていることを 思い出すべきである。(2009/12/25)

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