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もう鳩山首相をあきらめる?

「友愛」という名の優柔不断が日本を壊す

  • 竹中 正治

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2009年12月28日(月)

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 テレビであるニュースを見ていた時のことだ。40年も昔、中学生の時に見たアメリカのSF映画「スタートレック」(1960年代にTV放映されたオリジナルシリーズ)の一場面が私の脳裏に浮かんだ。

「友愛」に満ちた優柔不断

 ある惑星で超常現象に遭遇し、カーク船長が2重人格になってしまう。精神的な2重人格だけでなく、物理的にも2人のカーク船長に分裂してしまった。片方のカークは優しさに満ちた善人である。他方のカークは闘争心に溢れた冷酷な人格だ。

 ところが、善人カーク船長は全く優柔不断で、指揮官としての決断力がない。一方、冷酷カークは戦略的な目的遂行のために部下の犠牲も厭わない決断をする。これを見た科学主任のスポックが例によって片方の眉をつり上げながら言う。「実に興味深い。人間の決断力は冷酷さという性格を連れ添っているようだね」。

 私にこんな昔のTVドラマを思い出させたニュースとは何か、もうお分かりだろう。普天間基地問題の先送りを弁明する鳩山首相の優柔不断だ。以下はある新聞が掲げた社説のタイトルと一節である。

 「普天間先送り──鳩山外交に募る不安:ただ『待ってくれ』『辺野古の可能性も残っている』などと優柔不断な態度を続けるのは日米同盟を傷つけ、ひいては日本の安全を損ないかねない危険すら感じさせる」

 この社説、読売新聞でも産経新聞でもなく、なんと朝日新聞の社説である(12月16日付)。

事業仕分けでは財政構造の大転換など不可能

 「無駄を徹底的に洗い出すと言って財政を組み替えても、社会保障、年金、医療などの義務的な歳出比率の高くなった今日の政府財政からは、民主党のマニフェストを実現するのに必要な年間10兆円規模の『無駄』など出てこない」

 仕分け人らの作業以前から、複数の財政学者がほぼ同様の指摘をしていたが、やはりそうだった。

 日本の財政事情の深刻さについては改めて語る必要もないだろうが、1つだけグラフを掲載しておこう。グラフは日本の家計のネット金融資産(金融資産から負債を差し引いた残高、青線で左目盛)と政府のネット負債(金融負債から資産を差し引いた残高、赤線で右目盛逆表示)である。

 1990年代までは右肩上がりで増加していた家計のネット金融資産は2000年代に入り伸びが頭打ちとなっている。高齢化で貯蓄の取り崩しをする家計が増えるのだから、当然の結果だ。一方、政府のネット負債は右肩上がりの増加基調だ。

 これまで日本経済は貯蓄超過なので、政府債務の規模が大きくても国内の貯蓄だけでファイナンスされてきた。しかし、現在のトレンドが続くと、2030年代初頭には政府債務残高が家計の金融資産を超える「Xデイ(運命の日)」が到来する。

 グラフに示したトレンド線(近似曲線)は無数に考えられるシナリオの1つに過ぎないので、Xデイはもっと早いかもしれないし、回避できるかもしれない。しかし、政治が無策でこのままのコースを辿ればXデイは遅かれ早かれ必ず到来する。地球温暖化問題などよりも早く、かつ確実にやってくる近未来日本の姿である。

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