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「角」から見る日本・その3
「日米関係」と「核の傘」をどう選択する?

  • 山岡 淳一郎,山中 浩之

バックナンバー

2009年12月28日(月)

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(「「角」から見る日本・その2 『持たざる国』日本が、いま角栄から学べること」から読む)

田中角栄 封じられた資源戦略
山岡淳一郎 草思社

 歴史のひとつの転回点は、田中角栄の登場した73年前後にあったのではないか。その時代の課題は、いまだに引き継がれ、角栄の愛弟子、小沢一郎が民主党政権のプロデューサーとなった今、新たな解決策を求められている。短期連載「歴史を見る目のつくりかた」前編は、「角」の視点でニッポンの現代史を学ぼうという企画でお送りしています。

「『角』の視点で歴史を見る」参考図書が書店に並んでます

 参考図書満載ですすめていく本企画は、書店さんにもご協力を戴き、首都圏で「歴史を見る目のつくりかた」フェアが開催されています。有隣堂ヨドバシAkiba店を中心に、有隣堂主要店さん、フタバ図書TERA南砂町店さんなど、多くのお店が参加してくださいました。店舗によって開催期間や本の品揃えが異なります。書籍と店舗の一覧は、こちらからごらんください。

山岡 沖縄の普天間基地の移設問題でギクシャクしていますが、日米関係は、次のステップに入りましたね。

――アメリカ側は、日本の駐米大使を国務省に呼び出すなど、シリアスな対応を見せ始めました。

山岡 とはいえ、日本政府は、「アフガン復興支援」では、約5年で総額50億ドルを、治安の向上(警察への支援)、元タリバーン兵士の職業訓練、農業やインフラ、学校建設などの「民生支援分野」に回す、としています。方針が貫かれるなら、生活復興に直結するなら、日本の「立ち位置」をはっきりさせる意味で、この選択は正しい。アメリカ側も、これは評価せざるをえない。インド洋上の補給支援を続けたほうが安くつく、何で巨額負担をするのか、という反論もあるようですが、国際社会で平和国家志向という日本の「強み」を生かすには民生支援のほうが説得力を持ちますね。ただし、その使途は、しっかり確認しなくちゃ。増派された米軍の人件費に回されたら、たまったもんじゃない。

――なるほど。我々は「対米関係」についてはどうも感情論に走りがちで、「じゃあ、俺たちはなにを米国に提供し、対価に何を受け取り、それをどう世界に説明するんだ?」という認識があまりないですよね。そこに某かの言葉が出てきている、という受け止め方もできる。

山岡 ただ「友愛」という精神的な語句で説明しきれないものであることもまた事実です。自戒を込めて言いますが、日本の現在の立場を客観的に、外から、それこそ「歴史を見る目」で理解しておかないと、相手の言い分を感情でのみ捉えることにもなりかねませんよね。

 たとえばアメリカは、「クリーン・エネルギーの開発」という名のもとに自然エネルギー開発も、原子力開発も同時進行でアクセルが踏み込まれています。将来的には再生可能な自然エネルギーに頼るのが一番、と言いつつも、それまでの過渡的な手段として二酸化炭素排出量が少ない原子力を推進しよう、というわけです。原子力発電は、いうまでもなく原爆の材料になる濃縮ウランやプルトニウムを伴うシステムです。原発を推進すれば、核兵器を世界に拡散させる怖れがあります。

 そこで、オバマ大統領は「核兵器廃絶」「核不拡散」を掲げ、核兵器を持たないと約束した国には「IAEA(国際原子力機関)」のコントロール下で、原子力発電に不可欠な核燃料を提供しましょう、プルトニウムは回収しますよ、と言っている。原子力の平和利用の推進というアメと、核兵器を捨てよというムチを使い分けようとしています。

 でも他の核兵器を持っている、欲している国々は、まずはアメリカとロシアが核兵器を捨てるのが先決だ、と反論します。核弾頭の数はアメリカ10500発、ロシアが20000発、二国で全世界の95%以上と推定されていますから、他国はそうそう従いません。米国大統領アイゼンハワーの提唱で設立されたIAEAが、アメリカと欧州の核大国の影響下にあることは知られています。

――では、日本は、このような状況下、どういう選択をしているのでしょう。

山岡 日本は、アメリカの核兵器で他国からの核攻撃を防ぐとする「核の傘」の下に入っているので、当然、同一歩調をとっています。今回の日米首脳会議で発表された「『核兵器のない世界』に向けた日米共同ステートメント」には、こう記されています。

「両国政府は、(中略)核燃料供給保証を含む民生原子力協力のための新たな枠組みを推進する方法の探究に取り組む。(中略)また、保障措置、核セキュリティ及び原子力安全の最も高い基準を遵守して行なう原子力の平和利用を奨励する。両国政府は、この文脈で、12月にIAEA事務局長に就任する天野(之弥)大使の選出を歓迎する」

――エネルギー資源を持たず、軍事的にも「核の傘」の下にいる日本は、他の選択肢はないかもしれません

山岡 が、しかし、そもそも「核の傘」は他国からの攻撃に対して有効なのでしょうか。その根本問題にさかのぼると、どうもよくわからなくなります。

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