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2010年は、日米安保崩壊元年?

「決断できない」鳩山政権で、同盟関係にヒビ

  • 鍛冶 俊樹

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2010年1月4日(月)

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 沖縄県の普天間移設をめぐる日米の軋轢は2010年、大爆発を引き起こしそうである。この問題は一見単純だが、実は奥が深く複雑に絡み合っている。もはや解決は不可能と言ってもいいかもしれない。

 まず単純な部分から説明すると、沖縄県の普天間の米軍基地を同じ沖縄県名護市に移設することで日米間は合意している。移設先の名護市も受け入れを表明している。

 ただし、これは自民党政権時代の話だ。民主党はこの日米合意の見直しを選挙公約に盛り込み、政権に就いた。当然見直さなければならないが、同時に日米合意は国家間でなされた約束であり、これを白紙撤回することは日米間の信頼関係を大きく損なう。また普天間基地の一部はグアム島に移設される計画であり、そのための工事も既に始まっている。つまり移設中止はもはや不可能なのだ。

一枚岩でない弱点が露呈

 従って鳩山由紀夫政権の採るべき対応は1つしかない。日米合意の経緯を精査し、受け入れ先の名護市の意思を確認し、「見直した結果、日米合意には問題ないことが分かったから、そのまま履行します」と米国に伝えることである。

 当然、米国側も日本がそう伝えてくるものと思っていた。9月にニューヨークで開かれた日米首脳会談は鳩山首相、バラク・オバマ大統領初顔合わせだったが、鳩山内閣発足直後でもあり、米国は即答を求めなかった。しかし11月のオバマ訪日までには「合意履行」を伝えてくるだろうと踏んでいたのだ。

 ところが、鳩山政権はそうしなかった。さらに年内に伝えてくると期待されたが、それもできなかった。ジョン・ルース駐日米大使は岡田克也外相の「年内決着は困難」との発言に激怒し、遂に日本の駐米大使がヒラリー・クリントン米国務長官に呼び出される事態にまで至った。

 米国が早期決着を求めたのは、1月24日に移転受け入れ先の名護市で市長選が行われるのを見越してのことである。もしここで移転受け入れ反対派の市長が誕生すれば、名護市への移転は困難になり、日米合意は根底から覆る可能性がある。

 一方、鳩山政権が「合意履行」を決断しなかったのは、連立パートナーの社民党の立場に配慮したためとされるが、それは表面的な言い訳で、実は根は深い。沖縄県の民主党が移転に反対しているし、党内左派も合意履行に否定的であり、さらには日米安保(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)反対の労働組合も抱えている。思想的に一枚岩とは言い難い民主党の弱点がここにきて露呈したのだ。

 そもそも普天間の米軍基地がなぜ移設されることになったか? ここにも複雑な背景がある。

 1つは冷戦終了後の米国軍事戦略の変化がある。米ソ冷戦時代、米軍はソ連に対峙する形で世界中に展開していた。ソ連が崩壊すれば、これらの軍事基地は撤収するか縮小するか再配置するかの選択を迫られる。つまり、米軍戦略の根本的な見直しが必要となったのである。

 米陸海空3軍がそれぞれ新軍事戦略を提案したが、その中で特に注目を集めたのが空軍が提案した戦略「グローバル・リーチ、グローバル・パワー」である。この戦略では赤道付近の島に戦力を集中させ、そこから空軍の輸送力で地球上のどこへでも戦力を機動展開させるとするもので、太平洋においてはグアム島が戦力拠点となる。有事の際は、ここから台湾海峡や朝鮮半島に航空輸送で戦力を投入しようという算段である。

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