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デフレ病克服、そしてインフレに備えよ(下)

  • 濱田 康行

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2010年1月8日(金)

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 波及プロセス図の帰結が、図2に示すスパイラルの出発点をつくり出す。そして今度は、数量減とともに価格減少が本格化する。点線の内側がデフレスパイラル構造の領域を示している。構造は外側の様々な要素に囲まれている。

 デフレ構造を急速回転させる要因はいくつかある。第一は金融機関の貸し出し姿勢である。中小企業に関しては日本政策金融公庫がこれについてのアンケート調査を実施している。それによれば、2007年の第4四半期頃から資金繰りDI・借入DIは急速に悪化している。企業が赤字決算になった場合、金融機関の貸出姿勢が積極的でなくなるのは、金融機関も営利企業である限り仕方のないことであるが、この傾向は中小企業の経営姿勢に影響する。それは金融機関という応援団が自分の背後にいない、あるいは存在しても以前ほどに頼りにならないと感じたら、企業は(この点では大企業も同じ)保守的になる。つまり、設備投資を展開して新分野に出ようなどとは考えない。思考は脱ベンチャーであろう。また、流動性が不足する心配があるなら、大きな支出を控えるという意味からも設備投資は見送られる。例え更新投資であっても先送りされる。また、コストを削減することは支出を控えることと同義であるから、決算不良を理由にして賃金の抑制、報酬のカットが常態となる。日本では賃金は生活給という面が強く、ボーナスは賃金不足の補填であるから、なかなか下げにくい。特に中小企業では、社長はいわば家父長であり、社員という一家の構成員の生活を守る立場にある。少なくとも、そういう認識を持つ経営者は賃金抑制やリストラをやりたがらないのだが、状況が悪化し、よその企業も、特に手本となる大企業がそれをやっており、その挙句、自分達に値下げを迫ってくれば、“やむを得ず”ということになる。ともかく企業の資金状況に不安のある中では企業の行動は委縮しがちとなる。

 第二の要因は、特に大企業に言えることだが、経営者の保守性である。昔に比べて、大胆な、積極的な経営者がいなくなったということが言われている。その背景には、株主本位の経営があり、また社長の任期の短期化があると言われている。業績悪化が数年続けばクビになる。自分の任期が短いということになれば、その期間中は大胆な企てはせずにおこうと思うのはむしろ自然である。

 日本経済が輸出に頼りすぎていることは、私も含めて多くの論者の指摘するところである。(日経ビジネスオンラインの過去の記事を参照)。

 金融危機が図1の示すルートで実物不況に波及した。これは世界的な現象であり、中国、米国、そしてアジア諸国でそれが起きたなら日本の輸出が激減するのは当然である。だから、これは外側からデフレ構造を促進する要因となる。日本経済の輸出依存がデフレ構造を激化させた第三の要因である。

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