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米国が日本をあきらめる日

  • 水野 博泰

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2010年1月13日(水)

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普天間問題を巡る鳩山首相の優柔不断が、米国を本気で怒らせた。「同盟破棄」を含めて、あらゆる選択肢の検討が始まっている。アジアシフトに合理があっても、戦略性なき米国離れは自らを危うくする。

 今年で日米安全保障条約は、1960年の改定から50周年の大きな節目を迎える。だが、太平洋を挟んで向き合う両国に祝賀ムードはかけらほどもない。それどころか、日米関係は冷え切っている。

 その原因はいわずもがな、米海兵隊普天間基地の移設問題を巡る鳩山由紀夫首相の優柔不断な対応にある。日本の想像を超える苛立ちと深刻さをもって、米国は「日米関係の危機」を論じ始めている。

 「日米同盟が米国の国益に合致しないなら、米国は中国との友好関係構築へと戦略を大転換し、邪魔になる日米同盟は存続をあきらめる」

 こう記したリポートが、2009年11月に米国で公表されている。米シンクタンクのアジア研究所(NBR)が発行元になっている「日米同盟、かみ合わぬ期待への対応(MANAGING UNMET EXPECTATIONS in the U.S.-Japan Alliance)」がそれだ。

(写真右上:丸本 孝彦)
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日米関係はゆでガエル

 執筆責任者は、ジョージ・W・ブッシュ政権で国防次官補を務めたマイケル・フィネガン氏。このリポートが作成されるに当たっては、日米双方から多くの関係者が議論に加わっている。参加者の考え方は様々だが、共通していたのは両国政府が長年にわたって日米同盟の問題を直視せず、本気で解決しようとしなかったために傷をここまで深めてしまったという反省だ。

 本誌のインタビューに応じたリポートの執筆者、フィネガン氏は以下のように警鐘を鳴らす。

 「日米同盟の最悪のシナリオは、まるで“ゆでガエル”のように、ゆっくりと気づかないうちに関係が悪化し、修復が不可能になっていくことだ。もし日米同盟が破綻すれば、日本は核抑止力を含めて軍事力増強に走るかもしれない。そうなると、韓国も台湾も核兵器を保有する。そんなことになれば、アジアに破滅的危機が到来する」

 フィネガン氏はリポートで、日米同盟に過大な期待を抱くことをやめ、「日本防衛」に集中することを最良の選択として提言している。米国は日本に対して自衛隊の海外派遣などの貢献を求めたが、これは日本国内で集団的自衛権と憲法9条の解釈を巡る政治的大混乱を招いた。

 日本側は米軍に対してシーレーン防衛を含めた広範な義務を求めるが、米議会には常に「ただ乗り論」がくすぶってきた。フィネガン氏は本誌に「感情やロマンスは排除してお互いの国益のために最良の選択をすべきだ」と、同盟存続に最後の期待を託す。

鳩山がオバマの最大脅威

 米国にとっては、普天間移転に関する方針をコロコロと覆してきた鳩山首相こそが、米国の軍事戦略を脅かす最大級の要因になっている。駐日大使特別補佐官などを歴任し、普天間移転問題にも直接関わってきた米ジョンズ・ホプキンス大学ライシャワー東アジア研究所のケント・E・カルダー所長は苛立ちを隠さない。

 「普天間移転の件で、ペンタゴン(米国防総省)は絶対に妥協しない。米国は今、イラクとアフガニスタンで2つの戦争を展開する戦時下にある。普天間移設計画は、中国の軍事的脅威を念頭に置きながら、10年以上も前から日米合意の下で準備を進めてきたもの。今さら計画を変更する考えはペンタゴンにはない」

 「米国側は、経験の乏しい未熟な新政権の不手際だと大目に見てきた。だが鳩山政権はその厚意に甘え、むしろ踏みにじってきた。また、米国が軍事的脅威と見なす中国との関係強化を平然と進める日本に対しては、かつてないほどの不信感を高めている」

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