• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

JAL再生、猶予は残り3年

急場しのぎも、「出口戦略」が見えない

  • 高橋 篤史

バックナンバー

2010年1月13日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 迷走を続けた日本航空(JAL)の再建問題が決着する方向となった。2009年末に事前調整(プレパッケージ)型の法的整理案が急浮上。これまで有力視されていた私的整理案との間で関係者のせめぎ合いが続いていたが、最終的には会社更生手続きに委ねられることとなった。それを踏まえて1月19日にも企業再生支援機構が支援を決定する段取りだが、問題はその後の「出口戦略」が依然として視界不良な点だ。

 前原誠司国土交通大臣が任命した民間有識者による「JAL再生タスクフォース」の資産査定を経て、昨年11月10日に関係5閣僚による緊急融資支援など3項目の確認がなされて以後、JAL問題は小康状態に入っていた。事態が大きく動き出したのは昨年12月末。

空港利用料を現金払いの窮状?

 大きく分けて2つの流れが事態を急変させた。1つはJALへの緊急融資に対する政府保証の問題。もう1つは再建案作りをタスクフォースから引き継いだ官民出資による企業再生支援機構の動きだ。

 緊急融資をめぐる動揺は、政府保証が新年度予算案に盛り込まれなかったことに端を発した。政府系の日本政策投資銀行は1000億円の緊急融資枠を昨年11月に設け、既に数百億円を実行していたが、それは政府保証が前提の話。はしごを外されたことで今後、JALの資金繰りに支障が出かねないとの不安心理が株式市場などでは生じた。前原国交大臣や菅直人副総理ら政府首脳が断続的に協議した結果、政投銀が緊急融資枠を大幅に拡大することで合意。この問題はひとまず峠を越えた。

 一方、それとほぼ同時並行で本格的な動きを見せたのが企業再生支援機構だった。銀行団などに再建案として示されたのが事前調整型の法的整理案である。取引金融機関と事前に債権放棄額を調整するなどしてから会社更生手続きに入ることで、運航停止といった混乱を避け、シームレスに再建を始動させようというものだ。

 JALに対する法的整理オプションはかねてから囁かれていた。古くは、大きく8つに分裂する複雑な労働組合の問題を一掃する伝家の宝刀と期待され、直近では、OBからの同意取り付けが難航する年金問題の有力な解決策としてくすぶっていた。中でも財務省内では以前から法的整理を押す声が強いとされた。

 一般に法的整理と私的整理を比べた場合、商社など一部の業種を除き、法的整理の方が再建の確実性は高まる。一部金融債務の削減にとどまる私的整理と異なり、法的整理では旧債務のほとんどがカットされ、徹底的なリストラが実行されるためだ。また、裁判所が関与するため透明性も担保されやすい。

 ただ、これまでの経緯では、タスクフォースによって法的整理オプションはいったん退けられていた。「正直、最初は法的整理でいけるかと思ったが、入ってみたらそれ以上にひどい状態だった」と関係者は話す。JALは営業キャッシュフローがマイナスに陥っており、いわば出血が止まらない状況。赤字補填の運転資金を注ぎ込まなければ立ちゆかず、しかも法的整理となれば現金払いを強いられる。燃油代はもとより、世界中で払う空港利用料や領空通過料も“キャッシュ・オン・デリバリー”となる恐れがある。

 タスクフォースは法的整理の際の必要資金を6000億円と試算。“見せ金”も含めての数字だが、この巨額に上るニューマネーの出し手を見つける困難さから私的整理案に傾いた。

コメント6

「ニュースを斬る」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

企業や官公庁の幹部のメールボックスの内容が、まるごと数十万〜数百万円で売られている事例もある。

名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官