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ちぐはぐな党と政府と官僚

民主党に「国家100年の計」はあるのか?

  • 佐藤 ゆみ

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2010年1月13日(水)

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 「脱官僚」「政治主導」でスタートした鳩山由紀夫政権だが、外交・安全保障、経済対策のいずれについても納得の行かない国民は多い。何がおかしくなっているのか。「政府」と「党」の関係と、「政府」と「官僚」の関係である。

 政府と党の関係で言うと、政府は政策を立案・実行し、その指針となるべきは「国家100年の計」である。これに対し、政党は共通の政治的目的を持つ組織とは言え、結局のところ「選挙に勝つこと」が目的であり、役割となっている。本来は党首である鳩山総理が率いる「政府」と、小沢一郎幹事長が率いる「党」は食い違いがないはずなのだが、現在は違いがありすぎてバランスが崩れていることに問題がある。

 「国家100年の計」よりも、「選挙に勝つ」が優先されることにより、政策はポピュリズムを意識した選挙対策用に傾く。基本的に考え方が違う3党の連立を組み、普天間基地問題の迷走に陥って国家の基本である安全保障まで揺らいでいる。今年度予算では「選挙に勝つ」ためのマニフェスト(政権公約)予算が目白押しで「国家100年の計」にかなうものではないのは、周知の通りだ。予算に関する「政府」と「党」の食い違いから財務相の交代までして、官僚たちを困惑させている。

 政府と官僚の関係は、政府を国家の経営陣とすると、官僚は従業員である。企業で言う経営資源であるヒト(従業員)、モノ(商品)、カネ(資金)とは、政治行政で言うとヒト(官僚)、モノ(政策・行政サービス)、カネ(予算)に当たる。この場合、「党」はカスタマーサービスのようなもので、国民は株主であり、顧客のようなものだ。現在の経営陣(政府)は、国家経営における重要な資源である従業員(官僚)を活かしきれていない。

 経営陣(政府)は国家を経営するに当たり、明確な理念とビジョンを持ち、そのうえで長期的、中期的、短期的な戦略や計画(国家100年の計)を作り、経営陣や従業員と共有し、強いリーダーシップとマネジメント力で政策実現をするべきなのだが、それがなされていない。しかも、経営陣がちぐはぐな発言をして従業員にも、株主・顧客にもリーダーシップを心配されているのが今の政府だ。

報連相さえも欠けている組織

 政権交代後、年末の内閣支持率調査で、鳩山内閣が一時50%を割った。不支持理由は偽装献金などではなく、「指導力がない」が2009年11月の前回調査から28ポイント上昇し、54%になった。指導力がないように見えるのは、やはり小沢幹事長の予算に関する要望劇からだろう。普天間基地問題に関しても、ブレが目立つ。リーダーのブレがメディアに対して露出するといいことはない。前政権の麻生太郎総理の例を思い出してみるとよく分かる。

 一番の問題は、国家の経営陣である政府の中で、ビジョンとそれに基づく戦略の共有がなされていなかったからだ。もっと言えば、報連相(報告・連絡・相談)がなされていなかった。

 鳩山総理が「子ども手当は所得制限をつけない」と言えば、藤井裕久前財務大臣が「制限をつける」と言い、「財源は地方でも負担を」と言えば、原口一博総務大臣が「地方負担は聞いてない」となった。普天間基地問題で平野官房長官が「県内で」と言えば、社民党は「県外またはグアム移設」を主張し、最近でも菅直人財務相が「消費税は考えていない」と言えば、仙谷由人氏は「消費税は早期に導入すべき」と言うのも、政府の間で情報の共有とすり合わせがなされていなかったからだ。

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