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ハイチから宇宙から、カトキチから「なう」

肥大化するつぶやきメディア「Twitter」の正体(前編)

2010年1月18日(月)

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 2009年は、まさに「つぶやき」元年だった。

 1回の投稿(ツイート、つぶやき)は140文字まで。他人を登録する(フォローする)と、そのつぶやきがリアルタイムに自分の画面に伝わり、次々と膨大な量のつぶやきが滝のように流れていく「Twitter(ツイッター)」。

 フォローせずとも、他人のつぶやきの一覧を、ブログを見るような感覚で閲覧したり、他人のつぶやきに対してメールやチャットのように返信したりすることもできる。

 ただ、それだけのシンプルなサービスが、メール、ブログ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と進化してきたコミュニケーションツールの最新版として全世界で受け入れられ、大流行している。

 国内でも、2009年半ば頃から火が付き、「ツイッター論」を語るさまざまな書籍が雨後の竹の子のように登場した。運営する米ツイッターが公開していないため、明確な利用者数は分からないが、少なくとも米国で6000万人以上、国内では400万人以上いると見られる。

 そして今、新たなコミュニケーションツールは、最も早くニュースを知ることができる新手のメディアとしても脚光を浴び始めている。

 政財界の著名人が自らの言葉で語り、企業はテレビCMを打つ代わりにツイッターで情報発信を始め、草の根の「市民記者」があらゆる事象を中継する時代。ついには、テレビ局や新聞社もツイッターで情報収集を始め、ツイッターで情報発信するようになった。

 ツイッターは、マスメディアをも飲み込む怪物メディアへと変貌を遂げていくのだろうか。メディアとしてのツイッター。その内実を追った。(文中敬称略)

 日本時間の13日午前7時前、カリブ海に浮かぶ遠い島国のハイチで起きたマグニチュード7.0規模の大地震の様子を、ツイッターはどのメディアよりも早く、克明に報じ続けた。

 「真偽は確認中だが、ツイッターの投稿によると、首都ポルトープランスでは先ほど大きな余震があった模様です。ハイチ国民の皆さん、引き続き、ツイッターでの情報提供をお願いします」

 地震発生直後、米CNNテレビのキャスターはそう言いながら、現地から被災状況を伝える名も無き「市民記者」の140文字のつぶやきを読み上げ、現地から届く写真も紹介した。

 140文字には、それ以上の情報も外部サイトへのリンクという形で埋め込むことができる。写真やビデオを紹介したければ、「YouTube(ユーチューブ)」のような動画共有サイトや、写真共有サイトへのリンクを書けばよい。

 ツイッター上で「LisandroSuero」と名乗るドミニカ共和国出身の男性は、夜が明け、露わとなった生々しい惨状をカメラに納め、ツイッターと連動する写真共有サイト「twitpic」に次々と投稿した。その一部は、通信社のAFPによって配信され、世界中の報道機関によって紹介された。

LisandroSueroがハイチからツイッターを通じて投稿した写真
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 「最新の情報はテレビではなくツイッターにある」。そう察した視聴者は、ツイッターに殺到し、情報を検索し、哀悼の意を示す言葉をつぶやき、互いに寄付を呼びかけ合った。「Haiti」という単語を含むつぶやきは、1分間に1000~2000も飛び交い、テレビによる効果を雄にしのぐ勢いで、寄付がなされた。

1次情報を取り込むツイッター

 今を伝えるつぶやきメディア、ツイッターは、報道のプロ集団を凌駕する速報性と、既存メディアに勝るとも劣らない伝播力をあわせ持つ。ハイチの地震は、そのことを如実に示すきっかけとなった。

 単なるコミュニケーションツールから昇華し、マスメディアが担っていた機能を包含しつつあるツイッター。それは、海外に限った話でも、大災害に限った話でもない。

 マスメディアの機能を分解すると、第一に世間の耳目を集めるような「ネタ」が必要となる。そのネタを提供することが多い著名人が、既存メディアを介さず、続々と自らの言葉でつぶやき始めている。

 すっかりツイッターの伝道師として有名となった勝間和代、広瀬香美の2代巨頭を始め、数多くの文化人、芸能人、評論家、政治家が次々とツイッター入りしている。個人名を挙げればキリがない。

 これまでマスメディアを利用するしかなかった著名人は、ブログという個人メディアを手に入れ、編集されない「生の声」を世間に届けることに成功した。ツイッターの利用も、基本的にはその延長にある。

 ただ、ブログが日々を伝えるメディアなら、ツイッターは今を伝えるメディア。ブログのように「さあ、書くぞ」と気構える必要はない。著名人にとっても参入の敷居は低く、更新も手軽に頻繁にできる。だから、1次情報が続々と集まる。宇宙からも。

宇宙の野口宇宙飛行士と地上の鳩山首相が交信

宇宙からつぶやく野口聡一宇宙飛行士
画像のクリックで拡大表示

 「日本の皆様、あけましておめでとうございます。宇宙で元気に新年を迎えることができてうれしいです」

 「宇宙ステーションは穏やかな元旦です。一日に16回も初日の出を見られるのでいい写真を撮れました!」

 昨年12月、ロシアのソユーズ宇宙船で宇宙に向かい、国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在を始めた宇宙飛行士の野口聡一は、ISSから英語と日本語の両方で、つぶやき続けている。野口は宇宙へ旅立つ前、訓練の模様などをつぶさに自身のブログとツイッターで伝えていたが、ISS到着後はツイッターのみを更新している。

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「ハイチから宇宙から、カトキチから「なう」」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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