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テレビ通販と金鉱山にシナジーはあるのか?

あらためて浮かび上がる「裏口上場」の問題

  • 高橋 篤史

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2010年1月19日(火)

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 テレビショッピングと金鉱山経営という世にも奇妙な組み合わせの上場企業が合併により誕生した。その名はジパング・ホールディングス(以下、ジパングHD)。元金融庁長官も社外取締役に名を連ねる会社だが、その沿革は“法人格乗り換え”の連続。いわゆる「裏口上場」の問題があらためてクローズアップされることにもなりそうだ。

 ジパングHDは今年1月1日付でジャスダック上場の旧プライムがグリーンシート銘柄の旧ジパングを合併したことで生まれた会社。全く畑違いのビジネスが一緒になって本当にシナジー(相乗効果)が期待できるのか疑問だが、昨年10月28日付で合併が発表されるや、それまで1万円を割っていた旧プライムの株価は急上昇し、12月中旬には一時3万円を突破した。

 旧プライムは名古屋市に本社を置き、テレビショッピング事業を展開。ベスト電器や伊藤忠商事の資本参加も受け、2000年のジャスダック上場後しばらくは高成長ぶりを見せていた。が、2006年6月期に赤字転落してからは不振が続き、ついに2009年6月期には債務超過に転落していた。

 かたや、旧ジパングは日興證券など証券界を渡り歩き、金融や投資に関する著作も多い松藤民輔氏が経営する会社で、北米などにおいて金鉱山の権益を買収してきた。2008年1月には五味廣文・元金融庁長官を顧問に迎え、同年6月には社外取締役に選任している。しかし、過去の投資に比べて採掘量は微々たるもので業績は散々。2009年3月期は売上高49億円に対し、経常損失が13億円にも上った。

合併で支配株主に躍り出る手法

 今回の合併は存続会社を旧プライムとし、旧ジパングが吸収される形で、そのためジャスダック上場も維持された。しかし、その実態を見ると、旧ジパングが旧プライムを飲み込んだ色彩が強い。

 合併前、旧プライムの発行済株式数は約21万株。合併によって旧ジパングの株主にはそれを軽く上回る448万株もの大量の新株が割り当てられた。合併発表日の終値を基に計算すると、赤字体質の旧ジパングの企業価値は約336億円もの高値で評価されたことになる。

 合併の結果、松藤氏の資産管理会社ブルパレスコーポレーション(東京都品川区)は約56%の株式を握る支配株主に落下傘降下のごとく登場。松藤氏は合併新会社の代表取締役会長に就任、ほかに旧ジパング出身者5人も取締役入りした。合併前、旧プライムの取締役は5人だったから、取締役会の主導権は旧ジパング側に移った格好だ。

 今回の合併により、松藤氏が保有する旧ジパング株は一夜にして上場株へと化けたわけだが、同社は過去にも似たような合併を行っている。2008年10月の旧アスクリンク(福岡市中央区)との合併がそれだ。

 前述したように、旧ジパングはグリーンシート銘柄に登録されていた。グリーンシートは日本証券業協会が1997年に開始した制度で、指定銘柄は非上場ながら証券会社の店頭で売買ができる。いわば“準上場企業”として扱われるわけだ。株主にとっては一定程度、保有株式の流動性が得られるので、その分メリットが享受できる。

 実のところ、松藤氏が金鉱山ビジネスを目的に1995年から経営していた“本家本元”のジパング(東京都品川区)は未公開企業だった。それがグリーンシート銘柄である旧アスクリンクを存続会社として合併したことで株式の流動性を得ていたのである。旧アスクリンクの本業は岩盤浴などリラクゼーション施設の運営。この時も全く畑違いの会社同士による合併だった。

 合併に伴う新株発行により、それまで10万株足らずだった旧アスクリンクの発行済株式数は一挙に442万株に膨らんだ。松藤氏のブルパレスコーポレーションが圧倒的な支配株主に躍り出て、経営権を取得した構図も今回のケースと酷似していた。

 ジパングHDは合併と同時にリラクゼーション施設の運営事業を旧アスクリンクの創業者に売却している。ジャスダック上場という果実を獲得した今、松藤氏にとってリラクゼーション事業はもはや用済みになったということなのかもしれない。

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