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郵政民営化見直しを凍結せよ――元郵便局長からの提言

2010年2月2日(火)

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 民主党の小沢一郎幹事長の元秘書、石川知裕衆院議員の逮捕を受けて始まった通常国会。鳩山由紀夫首相の資金管理団体を巡る偽装献金事件もあり、通常国会は「政治とカネ」の問題一色となっている。

 もっとも、通常国会ではいくつかの法案が提出される。その1つが「郵政改革法案」。政府は郵政事業見直しの原案を月内にまとめ、郵政改革法案を通常国会に提出する見込み。現行の5社体制の再編に加えて、郵便貯金の預入限度額(1000万円)の引き上げ、郵便窓口でのパスポート交付や年金記録の確認サービス、チケット販売などの新規業務などが議論されている。

 政府が進める郵政民営化見直しに、異論を唱える元特定局長がいた。今西宏。兵庫県の相野郵便局の局長を務めた人物だ。局長時代は改革派として、郵政事業の改革を叫び続けた。民営化見直しに賛成する郵政関係者が多い中、なぜ今西は異論を唱えるのか。その叫びを聞こう。

 斎藤次郎新社長のもと、郵政民営化の見直し作業が始まることとなった。衆院議員3人の国民新党の代表、亀井静香郵政改革・金融担当大臣の入閣に伴い、その強い意向に民主党が押し切られた形である。小泉内閣の郵政改革に反対し、自民党を飛び出して新党を立ち上げた国民新党。先の衆議院選挙において、当時の綿貫民輔代表や亀井久興幹事長が国民の支持が得られず落選したにもかかわらず、郵政民営化見直しに多大な支持が得られたかのごとく、亀井大臣は強気の発言で押し通している。

なぜ民営化路線を大きく変えるのか

 民主党の中にも、郵政民営化の見直しについてはさまざまな意見がある。だが、十分な議論もせずに国民新党の主張のままに進んでいる。政治の思惑だけで見直しを進めれば、事業の将来に禍根を残すことになる。

 小泉郵政選挙の際、民主党の主張は、郵便が国営、郵貯・簡保は民営の方向であった。そして、郵貯の預入限度額1000万円を800万円、あるいは700万円程度に引き下げて、大きく膨らんだ郵貯、簡保マネーを減らしていくという方向を主張していた。最近では、郵便事業会社と郵便局会社との統合という改革案も主張していたことが記憶に新しい。

 それが、国民の前で十分な議論もされないままに、3党連立の政策合意によって、「郵政民営化の抜本的見直しに取り組む」「日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式売却を凍結する」という方向で話が進みつつある。

 さらに、4分社化を見直し、郵政三事業の一体的サービスを提供する過程で、郵便局ネットワークを弱者の権利保護や格差是正、さらには介護、年金など地域の行政拠点として活用するという行政色の強い方向に転換しようとしている。

「郵政事業は政治に翻弄されている」

 本来であれば、株式を上場し、民営郵政をさらに本格化させ、定着させるために社員一同で取り組むべき時である。だが、大臣によるトップダウンで民営を維持しつつも実質国営に近い形に戻そうとしている。その根拠はどこにあるのだろうか。

 政治的決断だと言えばそれまでだが、具体的道筋や将来展望は見えてこない。「それはこれからの話」と言うのだろうが、いずれにしても2年あまり前に始まった民営化路線が大きく変更されることは間違いない。政治に翻弄され続ける郵政事業。真に国民のものとして機能していくのだろうか。

 確かに、小泉郵政改革による民営4分社化には一部無理があった点も指摘されている。ただ、今回の見直しで言われているような、民営の形を残しながらも実質国営に近い企業経営に戻して、今後も独立採算、効率的経営が維持できる保証はない。

 ワンストップサービスとして郵便局を地域の行政拠点として活用していくという公的な役割と、三事業に民間活力を導入して企業収益を上げる民間会社としての役割――。この両立など簡単にできるモノではない。うまくいかなかったらそのツケは結局、国民負担として回ってくる。

2007年10月、郵政民営化関連6法案が参議院本会議で可決、成立したが… © AP Images
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 公務員から会社員となって芽生えてきた社員としての自覚と自助自立の精神をここで萎えさせてはいけない。また、見直しに関わる多くの法律改正となると、またぞろ膨大な時間と労力を必要とし、現場の郵便局が大混乱に陥ることは間違いない。政治色や官僚色を前面に出しての改革では本末転倒。現場の郵便局視点で行うのが郵政事業改革の本筋であることを忘れてはならない。

 長年、現場を運営してきた元郵便局長という立場から、郵政民営化見直しの疑問点や、この際、見直しを言うのであればどの点をすべきかについて、提言したい。

コメント40件コメント/レビュー

「誤配送が増えている」という意見がありましたが、これは何も民営化云々が理由ではないと思いますよ。私もここ20年程あらゆるサービス業において「人的質」の低下を感じています。家庭内外での教育の衰退が原因でしょう。(2010/03/10)

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いただいたコメント

「誤配送が増えている」という意見がありましたが、これは何も民営化云々が理由ではないと思いますよ。私もここ20年程あらゆるサービス業において「人的質」の低下を感じています。家庭内外での教育の衰退が原因でしょう。(2010/03/10)

私の周辺でも同じような意見が聞かれる。何故民主党が政権を取ったのか分からない位だ。票差から見ればまだ多くの国民が民主党支持ではない。しかるに民主党の「国民のため」に名を借りた横暴がまかり通っている。これをどうにもできない自民党にもがっかりしているが・・・(2010/02/08)

そうでしょう、私も民営化後窓口対応や職員も生き生きして、従来の暗いいかにもお役所といった感じが消え民営化はよかったなと思ってました。私は民主党を応援していましたが亀井氏や福島氏にいいようにというか、民主党も後ろでにやにやしながら好きにやらせ(彼らは選挙で信認されていないのに)。そして今回の小沢、石川問題。国民のためと言いながら、選挙の票のため、自民党への復讐のためとしか見えないことばかり、子供手当てと言うあめをぶらさげれば、何をしても国民は目をつむってくれると思ってるのでしょうか。民主党にはがっかりさせられました。(2010/02/08)

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