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中古マンション、瞬間蒸発

2010年2月5日(金)

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「出せば右から左に売れていく」――。首都圏の中古マンション市場が過熱している。2007年の建築基準法改正で、新築マンションの着工が激減した影響が顕在化してきた。経済的な理由や価値観の変化で、中古を選ぶ消費者も増加。人気に拍車をかけている。

 「いや~、本当に申し訳ありません。あの後、別のお客様がお申し込みになられまして…」

 今年1月中旬の日曜日。携帯電話を取ると、仲介会社の担当者の申し訳なさそうな声が響いた。東京都内で中古マンションを探す真田隆さん(32歳、仮名)。結婚を機に、賃貸マンション暮らしをやめ、マイホームを手に入れようと昨年の暮れから物件探しを始めた。「無理をして高い新築を買うよりも、中古マンションで十分」と考え、物件探しを続けていた。

 だが、ここ数カ月、彼は中古マンションの“買い負け”が続いている。

希少物件は買いが殺到

 仲介会社が断ってきたのは、目黒区・武蔵小山の物件だった。長さ1kmにわたって続く「武蔵小山商店街パルム」で有名な武蔵小山。大手町まで約30分の利便性もあり、人気が急上昇しているエリアである。

多少高くても、好物件にはあっという間に買い手がつく。中古マンション市場は活況を呈している(写真:村田 和聡)

 この武蔵小山駅から徒歩十数分の閑静な住宅街に、築30年、60m2の中古マンションが約3000万円で売りに出された。広々とした12畳のLDK、フローリングの洋室2つに便利な納戸がつく。築年数は古い旧耐震物件だが、武蔵小山では値頃感がある。

 「これは良さそうだ」。真田さんはすぐ仲介会社に連絡を取り、内覧のスケジュールを決めた。物件情報は出たばかり。インターネットの不動産情報サイトにもまだ掲載されていない。担当者も得意顔で「お客様が一番手です」と言う。ところが、物件を見学し、「帰って検討します」と別れた数時間後。かかってきたのは、担当者からのすげない電話だった。

 この物件だけではない。閑静な住宅街として城南エリアでも屈指の人気を誇る目黒区・学芸大学。昨年11月、駅から徒歩十数分の中古マンションが売りに出た。築35年を超えるが、60m2の2LDKで3000万円を切る価格設定。すぐさま仲介会社に内覧の予約を取りつけたが、その日が来る前に契約申し込みが入った。

 若者に人気の世田谷区・三軒茶屋。徒歩10分、55m2の2LDKで3500万円弱。内覧を済ませたその日の夜に、やはり断りの電話が来た。

 まだある。今年1月、京王線下高井戸駅から徒歩圏内、築35年、60m2の2LDK。「募集中」という言葉を確かめて、即座に内覧の申し込みをしたが、これもタッチの差で契約申し込みが入った。

 「出せば右から左に売れていく」。ある仲介会社の担当者は今の中古マンション市場をこう評した。細かく検討する間もなく物件が売れていく現実を目の当たりにした真田さんには、決して大げさな表現とは思えない。金融危機後、かなりの冷え込みを見せた都心部の不動産市場。だが、この“一角”だけは活況を呈している。

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「中古マンション、瞬間蒸発」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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