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米国、台湾武器輸出と普天間の微妙な関係

東アジアの平和と安定は、早くも崩れ始めた

  • 鍛冶 俊樹

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2010年2月2日(火)

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 まさに劇的な展開である。1月15日に日本の海上自衛隊がインド洋から撤収し、1月24日は沖縄の名護市長選挙で米軍基地受け入れ反対派の市長が勝利した。誰の目にも日米関係は疎遠になるのは明らかだった。

 当然、米国は日本抜きの戦略を模索し、さらなる米中接近、ジャパンパッシング(日本素通り)が懸念された矢先だった。中国もそれを期待し、「インド洋での海上自衛隊の補給活動を肩代わりする」とまで言い出していた。ところが米国は突如、台湾への武器売却を決定したのだ。

 言うなれば、中国の胡錦涛主席が米国のバラク・オバマ大統領に手を差し出したのに、オバマはその手を振り払ったばかりか返す勢いで胡錦涛の頬を引っ叩いたようなものである。

もし「バトル・オブ・タイワン」が起きたら

 米国が売却を決めたのはミサイル防衛用のPAC-3(地対空誘導弾パトリオット改良3型)そして軍用ヘリコプターや情報機器などで、肝心のF16戦闘機の売却は見送った。ここで「中国への配慮をにじませた」とも言われる。

 確かに中国が台湾へ軍事侵攻するとなれば台湾海峡上空における航空戦が死命を制する。第2次世界大戦ではドイツは欧州大陸を制覇し英国本土(ブリテン島)に侵攻しようとした。そこで起きたバトル・オブ・ブリテンでは当時の最新鋭戦闘機、英のスピットファイアーと独のメッサーシュミットの死闘が繰り広げられたのである。

 現代において、もしバトル・オブ・タイワンが起きたとしたら、「台湾軍のF16と中国軍のスホーイ27の格闘になる」と言われてきた。台湾は約150機のF16を米国から供与されており、一方の中国はロシア製のスホーイ27、その改良型のスホーイ30、さらにそれをコピーした中国製のJ10などの配備を着々と進めている。正確な数は不明ながら既に勢力は拮抗しており近い将来、台湾側を圧倒すると見られている。

 台湾としては均衡を保つため、米国に追加配備を求めていたのである。これを見送ったことは確かに中国への配慮を米国が示したと言えるが、中国の出方次第では追加承認があり得ることを示してもいる。オバマ政権としては中国との関係悪化をそれほど恐れてはいないことを内外に表明したわけだ。

 一体なぜこの時期に、しかも親中派と見られていたオバマ大統領がこの挙に出たのか? 大統領就任以来、米国債を買ってもらいたいばかりに人権問題を棚上げして媚中外交を繰り広げてきたのであるが、現在も経済的な対中依存状態に変わりはない。

 台湾においては親中派の馬英九政権への批判が高まりつつあるが、中台で軍事衝突が起きたわけではない。米グーグルへのサイバー攻撃が米中間で問題になっている時ではあるが、仮に中国がこの問題で妥協したとしても米国が今回の決定を覆すことはないだろう。

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