米アップルが新しい情報端末「iPad(アイパッド)」を発表した。今春の日本上陸で、パソコン、携帯電話、出版業界に変革をもたらす。個人の情報プラットフォームとなれば、オフィスや医療現場で新市場を創りそうだ。
「スマートフォン、ノートパソコン、どちらでもない第3のモバイルデバイス。それがこの『iPad=アイパッド』だ」
現地時間の1月27日、米アップルのスティーブ・ジョブズCEO(最高経営責任者)は同社の発表会で新型の情報端末アイパッドを披露した。9.7インチの大カラー画面を備え、インターネットの閲覧やメール、映画、ゲーム、電子書籍などが楽しめる。日本では3月下旬以降に発売される計画だ。
アイパッドの登場ーー。この衝撃は、1つの新製品の発売というニュースにとどまらない。パソコン、通信、さらに出版業界など様々な産業に変革をもたらす可能性を秘めている。
パソコン、通信の「壁」をなくす
アイパッドは小型ノートパソコンの「ネットブック」とほぼ同じ機能を備えて、値段も499ドル(約4万5000円)からと価格帯も近い。しかも3G(第3世代)携帯電話網に対応するアイパッドの通信料金は月額固定で29.99ドル(約2700円)。これは既存のパソコン向け通信サービスに比べて10〜20ドルも安い。アイフォーン譲りの「使いやすさ」に加えて、本体も通信料金も「低額」となれば、ノートパソコンに代わる情報端末として、パソコン業界の勢力図を塗り替えるかもしれない。
携帯電話もうかうかしていられない。便利で低額なアイパッドのインパクトは、若者に絶対的な人気を誇る日本の「ケータイ」にも及ぶだろう。日本勢が得意とする高機能な携帯電話の市場を脅かす可能性もある。
アイパッドには“隠し玉”も備わっている。アイパッドの3G通信機能を使うには、携帯電話番号などを記録した小型ICカード「SIMカード」が必要。利用者がこのカードを差し替えることで、自由に通信事業者を選べる「SIMフリー」という仕様になっている。
携帯電話端末にも同様のカードが内蔵されている。だが、日本の携帯電話は、特定の通信事業者のSIMカードしか利用できないようにする「SIMロック」という仕掛けが施されている。これまで総務省が主催する検討会などでSIMフリー化の議論がされてきたが、携帯各社は利用者の囲い込みなどを理由にSIMロックに固執してきた。
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