「理想の住まいは私が作る」

「ミクシィで仲間100人集めて、家作っちゃいました」

お仕着せの新築はイヤ、32歳建築士の「マイホーム」

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2010年2月8日(月)

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 2009年の新設住宅着工戸数は78万8410戸にとどまった。新築供給が80万戸を下回ったのは1964年以来、45年ぶりのことだ。これまで、40年以上も100万戸を超える大量供給が続いていた。だが、雇用不安や所得減少、世帯数を大幅に上回る住宅ストックの現状などを考えれば、かつてのような“100万戸時代”に戻ることはないだろう。

 こうした時代の地殻変動を受けて、2月8日号の日経ビジネスでは、「理想の住まいは私が作る」という特集を組んだ。中古物件をリーズナブルに購入し、賢く理想の住まいを作っている人々のリポートだ。これからの時代、既存ストックを賢く活用する発想が生活者にも企業にも求められる。この動きは、一過性のブームではない広がりを持つ。

 今回の特集に関連して、企業経営者や識者のインタビュー、実際に住まいを作った人々のケーススタディ、住宅産業のあり方などを4回にかけて連載していく。今回は、理想の住まいをミクシィで募った有志100人で作った建築士、河田将吾氏。ユニークな家作りのプロセスをご覧いただきながら、「理想の住まい作り」の新潮流を紹介する。


(日経ビジネス、蛯谷敏)

 まずは、下の写真をご覧いただきたい。東京・馬喰町。古い問屋街の雰囲気が今も残る街の一角に、約3年前、風変わりな1軒家が誕生した。築30年以上、3階建てのこの家屋、もとは牛乳屋だった。家主は河田将吾氏、32歳の若い建築士だ。アトリエとして利用している1階の受付を上がると、奥行きのある事務所スペースが広がる。さらに、階段を上がると、河田氏が普段暮らすプライベートスペースがある。ただし、室内の木造の柱はむき出し、白く塗られた壁のペンキも、ところどころにムラがある。手作り感が満載の住宅なのである。

東京都・馬喰町の古い家屋をセルフリノベーションした河田将吾氏の「マイホーム」(写真:村田和聡)
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1階はアトリエとしても利用している受付(写真:村田和聡)
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2階は普段の仕事場。右が河田氏(写真:村田和聡)
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3階には河田氏のプライベートルームがある。中は秘密(写真:村田和聡)
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素人100人以上がリノベーションに関わる

 河田氏は、2005年、この築30年の家屋を定期借地権で借り受け、自らの手で内装をほぼすべて設計し直し、改装した。いわゆる、セルフリノベーション物件である。

 ただし、その手法は、一般のそれとは随分異なる。

 実はこの物件、河田氏がインターネットのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)サービス「ミクシィ」で知り合った100人以上のボランティアと共に、約2年の歳月をかけて完成させたものだ。

 中古物件を手に入れて、賢く理想の住まいを作る――。河田氏が「マイホーム」を手に入れるまでのプロセスは、そんな流れの波頭といえる。連載の第2回では、このユニークなプロジェクトの全容を、ご覧いただこう。

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著者プロフィール

蛯谷 敏(えびたに・さとし)

2000年、日経BP社入社。通信業界誌『日経コミュニケーション』記者を経て、2006年より日経ビジネス記者。情報通信、ネット、金融、不動産、政治、人材など色々担当。「一極集中」から「多極分散」へと移り変わる様々な事象をテーマに日々企画を考えている。



このコラムについて

理想の住まいは私が作る

2009年の新設住宅着工戸数は78万8410戸にとどまった。新築供給が80万戸を下回ったのは1964年以来、45年ぶりのことだ。この国では40年以上も100万戸を超える大量供給が続いていたが、かつてのように新築が大量供給される時代に戻ることはないだろう。これからの時代、生活者は理想の住まいをどのように手に入れればいいのか。そして、住宅に関わる企業はどこに活路を見出すべきなのか。識者のインタビューやケースで考えていく短期集中コラム

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