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定年を迎える時、少子高齢化社会の成功例を残したい

【第17回】厚生労働省 山田章平氏《後編》

  • 佐藤 ゆみ

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2010年2月15日(月)

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佐藤 ゆみ(以下、佐藤) 民主党がマニフェスト(政権公約)で掲げた子ども手当についてですが、正直なところ、どんな使い道が適切と思われますか。

山田 章平(やまだ・しょうへい)氏
東京都出身。東京大学法学部卒業後、1998年、厚生省(現・厚生労働省)に入省。墓地行政からスタートし、医療保険制度、社会福祉、DV(配偶者暴力)対策を担当。環境省出向時には、環境税の導入検討に携わる。現在は、社会保障全般を担当しており、税財政と社会保障について担当している。
(写真:佐藤ゆみ)

山田 章平(以下、山田) 今までの資源配分は、あまりに子育て世帯に少ないのです。少子高齢化が進む中で高齢者への給付も大切ですが、それにしても子育て世帯に対する給付が少ないのです。民主党が政権を取り、子ども手当を作る前の数字ですが、児童・家庭関連社会支出額は、対GDP(国内総生産)比で0.83%に過ぎません。欧州諸国では2~3%ですから、日本は欧米諸国の半分~3分の1程度の子育て支援しかしてこなかったのです。

 2007年末に「子どもと家族を応援する日本」重点戦略というものが策定され、その中で仕事と家庭を両立させ、子育てを社会的に支えるためにいくら必要になるのかを試算しました。現在の4兆3300億円に加えて、あと1兆5000億~2兆4000億円が必要だと試算しました。

 平成22(2010)年度の子ども手当の予算額は、ちょうど1兆5000億円です。平成23(2011)年度からは倍増します。

 私も昨年、長男が産まれたところで、正直、子ども手当はありがたいです。が、その一方で、「子ども手当で欧米並みになった」「資源配分に偏りはなくなった」「財政が苦しいので子育て支援はこれで終わり」という流れになるのを危惧しています。

「税金を払っても保育園に入れない」

佐藤 子ども手当の本来の目的は、少子化対策ですよね? この本来の目的のために、必要な予算の使い道は何に投下すべきだとお考えですか。

山田 個人で買うことのできないサービスこそ、行政が用意する必要があるのです。個人個人では保育園は作れない。だからこそ行政が保育園を作る必要があるのです。「こんなに税金を払っているのに、どうして保育園にさえ入れないのか」という妻の友人からの素朴な疑問に答えられないのが悔しいのです。

佐藤 おっしゃる通りです。私はマクロ経済的視点から長期的に見て子ども手当は効果があると思いますが、少子化対策としてはもっと有効な方法はそこだと思います。女性が働ける環境作りにもなるわけですから。

佐藤 間もなくアメリカに研修に行かれるそうですね。どのような研修を受ける予定ですか?

山田 人事院の計らいで、5カ月間、アメリカの厚生省(Department of Health and Human Services)でアメリカの医療制度について勉強をしてくることになりました。アメリカは、いわゆる先進諸国では珍しく国民皆保険になっていません。

 一方、最新の医療・医薬品の多くがアメリカで生まれています。日本は50年も前に国民皆保険になっていますが、保険料負担の増加やドラッグ・ラグの問題が指摘されています。

佐藤 確かにそうですね。アメリカで国民皆保険制度はバラク・オバマ大統領の“1丁目1番地政策”です。日本は日本で、保険料の負担増が問題化してきていて、格差社会の象徴か、保険に入れない国民も増加しています。ドラッグ・ラグとは何ですか?

山田 欧米の使える新薬が、日本で使用が認められ発売されるまでに時間がかかるというものです。

 良くも悪くも日本の医療とアメリカの医療は対照的で、日本の医療は公共財、アメリカの医療は産業という意識が強いのだと思います。アメリカの医療は産業なので、大きければ大きいほどよく、それに伴い消費者の購買コストは非常に高くなっています。

 医療サービスを購入するコストが高くても、サービスを購入するのにお金がかかるのは当たり前という発想なので、日本ほど気にされないのです。その結果、医療の負担は非常に高く、5000万人近くが無保険で、また、自己破産の原因の半分が医療です。

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