画像診断装置として普及が進むMRIの活躍の場が、治療分野に広がりつつある。MRIで患部を確認しながら、超音波を腫瘍に照射し壊死させる。子宮筋腫を中心に、乳ガンや肝臓ガン、前立腺ガンから脳腫瘍まで及んでいる。
磁気を利用して人体の臓器や血管を輪切りに撮影できる画像診断装置、MRI(磁気共鳴画像装置)。これまで、脳や血管などの病気の形態を描出したり、その症状の広がりの掌握など、検査用に活用されてきた。だが、最新のMRIは治療の分野にまで進出するようになっている。
米ゼネラル・エレクトリック(GE)の日本法人傘下、GEヘルスケア・ジャパン(東京都日野市)は1月13日、日本初のMRIガイド下集束超音波治療器「ExAblate 2000」を発売した。
入院不要で傷も残らない

MRIを医療機関向けに発売する同社が出した新製品の用途は、30〜40代の女性に多く見られる子宮筋腫の「治療」だ。従来の治療とは異なり、麻酔やメスなどを一切使わず、患者への負担が少ないとされる。治療にかかる時間も、これまでは1週間程度の入院が一般的だったのが、日帰りで可能になる。負担が軽くなり、短期間で治癒できる点が特徴だ。
ExAblate 2000では、FUS(集束超音波療法)と呼ばれる方式で治療を行う。体の外から超音波を照射して筋腫を加熱し、組織を壊死させる治療法だ。これまでに、前立腺ガンなどの治療に用いられてきた。
だが、その際には腫瘍の部位特定を超音波で行っていたため、照射する位置の正確性にやや欠ける部分があった。さらに、超音波を照射した際に、腫瘍の温度がどの程度になっているのかを、正確に測ることもできなかった。
この2つのデメリットを克服する機能を持つのが、MRIだ。MRIはリアルタイムで体内の状況を確認できる。CT(コンピューター断層撮影装置)には不可能な、血液が流れている様子や、血液の流速・血液量の測定も可能だ。
心臓や肺などの臓器が動いている様子を描出することもできる。内部の温度変化も測定できるため、治療によって体内にどのような変化が起こったのかを迅速に把握できるのだ。さらに、CTのようにエックス線(放射線)を使わないため、患者が被曝せずに済む。
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