• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

大手民放ラジオ13社、ネット同時放送解禁へ

3月から変わるラジオ局 NHKは地方はどう動く?

2010年2月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2月上旬、NHKのラジオセンターに衝撃が走った。

 「どうやら民放が、ネットでのサイマルに踏み切るらしい」「何だそれ、聞いてないぞ」――。

 マスメディア産業の一角が、ついに生き残りをかけて、重い腰を上げた。NHK以外の民放局である。受信料で成り立つNHKと民放とでは、それだけ危機感に雲泥の開きがあるということだ。

 AM、FM、短波の大手民放ラジオ局13社は、3月中旬から、地上波と同じ放送内容をインターネットでもサイマル(同時)送信することを決めた。日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本レコード協会といった権利団体とも合意を得た。2月中にも正式発表する。

 パソコンなどから「RADIKO(ラジコ)」のウェブサイトにアクセスすれば、無料で地上波と同じラジオ放送を聴けるようになる。ただし、アクセス元のIPアドレスから住所を類推する仕組みを用いて、当面は首都圏と大阪府の利用者に限定する。

 大手放送局が、地上波と同一の放送を、同時に通信回線経由で再送信する本格的な取り組みは、国内初。1925年のラジオ放送開始から85年、「通信と放送の融合」が極まった。

地上波に手を加えない、事実上の「ネット解禁」

 ネットでの同時送信に踏み切るのは、TBSラジオ、ニッポン放送、文化放送、エフエム東京、J-WAVE、エフエムインターウェーヴ(InterFM)の在京キー局6社と、朝日放送、毎日放送、エフエム大阪など在阪の準キー局6社、加えて短波の日経ラジオ社の合計13社。

 民放各社は昨年12月、共同でインフラ整備や権利処理にあたるための組織「IPサイマルラジオ協議会」を発足し、準備を進めていた。

 「ネットで聞けるラジオ」は、今年3月から半年を試験期間とし、9月から本格運用とする模様。試験期間とはいえ登録は不要で、特別なソフトも必要としない。配信方式は「Adobe Flash Player」を選んだ。

 地上波から数秒の遅れが生じるため、各社とも「時報」はカットすると見られ、権利処理が相当に困難なオリンピックやサッカーのワールドカップなど一部のスポーツ中継は、別番組に差し替えるなどの対応を取るようだ。

 だが、それ以外は原則、各局ともに地上波の放送内容に手を加えず、すべての番組、CMを再送信する方針。事実上の「ネット解禁」となる。

経営環境悪化で大手の足並み揃う

 これまでもニッポン放送やJ-WAVE、エフエム東京など一部放送局が、パソコンやモバイル端末に向けた地上波放送の再送信を試みていた。だが、期間や聴取者の人数を限定したり、権利処理ができない番組やコーナー、音楽、CMなどをカットして再編成したりするなど、試行の域を出なかった。

最近は、家庭や職場からラジオチューナーが消えつつある

 海外では既に始まっているラジオ放送のネット同時送信。日本でも事態が大きく動いたのは、受信環境と経営環境の悪化に窮する大手各社の思惑が一致し、足並みが揃ったからだ。

 ネットへのシフトを進めた場合、電波の聴取者が減ったり、広告に影響が及んだりする可能性があり、大手各社は二の足を踏んでいた。だが、大手ラジオ局関係者は「都市化で受信障害が増え、ラジオ受信機そのものも減っている。聴取者と広告費の減少が止まらず、いよいよ食えなくなってきた」と漏らす。

コメント21

「EDGE MEDIA(エッジ・メディア)」のバックナンバー

一覧

「大手民放ラジオ13社、ネット同時放送解禁へ」の著者

井上理

井上理(いのうえ・おさむ)

日経ビジネス記者

1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧