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子ども手当? そんな「儲け口」より「稼ぎ口」

求職中の32歳女性のケース

  • 小林 美希

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2010年2月15日(月)

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 「子ども手当をもらうより・・・」

 山本歩美さん(仮名、32歳)はため息をついた。1歳8カ月の息子を抱える求職中の主婦。夫は自営業であり、稼ぎは決して悪くはない。そこに子ども手当によって、2010年度は毎月1万3000円、以降は倍の2万6000円が支給される。

 まさに、少子化対策を意図した子ども手当が想定しているような家庭であり、恩恵を受けることは間違いない。歩美さんは「いつか息子に弟か妹を」と思っていても、「子ども手当てが出るからといって、もう1人子どもを」とは思えないし、そもそも政府のお金の使い方に納得がいかない。

 民主党政権が考える“弱者”像と、実際に支給される側には大きな溝が横たわっている――。

認められなかった育児休業

 歩美さんが大学を卒業して社会に出た2000年は、超就職氷河期。大卒就職率が55.8%と、統計上、初めて60%を下回った歴史的な年だった。

 広告業界に興味のあった歩美さんは、地元の関西地方で採用試験を受けられるだけ受けたが、結果は不採用。金融機関の一般職に採用が決まり、窓口で高齢者を相手に投資信託の営業をした。

 しかし、半ば高齢者を騙すような営業に疑問を持つ一方で広告業界に諦めがつかず、金融機関で働きながらコピーライトなどの勉強を続けた。小さな制作会社に中途採用が決まり、社会人3年目で転職した。その3年後、大学時代から交際していた恋人との結婚が決まった。恋人は東京で働いていたため、歩美さんが退職して東京で職を探すことになった。

 元いた会社のクライアントが歩美さんの上京を知り、「うちで働いてみないか」と誘ってくれた。スポーツ関連会社大手の広報部だった。取材対応やリリースの作成など、前職のキャリアを活かすことができる。歩美さんは、契約社員として働き始めることとなったが、この時はまだ、非正規雇用のデメリットを知らずに入社を決めてしまった。

 契約社員とはいっても、半年更新のアルバイト契約だった。もともと、この会社では、短大卒は契約社員からスタートして正社員になる慣習があり、社内で契約社員の存在に違和感はないようだった。

 そのため、業務内容は契約社員も正社員も全く同じ。歩美さんは、正社員と同じ名刺を持ち、取材対応はもちろん、記者クラブにも出入りし、広報業務の第一線で働いた。ただ、契約社員の賃金は月給23万円。ボーナスはなく、年収にして300万円程度で、待遇は正社員と倍近く開いていた。

 もともと自分を引っ張ってくれた人がそのまま上司となったため、社内の人間関係は良好だった。入社して3年近く経つと、歩美さんに子どもが授かり、妊娠について上司に報告した時も「おめでとう」と、喜んでくれた。妊娠中、残業があっても午後9~10時の間には帰宅するよう、自分で業務をコントロールした。

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